明野団地

明野団地：大分市の発展を支えた大規模住宅団地

概要

大分県大分市東部、市街地の東側に位置する明野団地は、1959年から始まった大分臨海工業地帯の開発と、1964年の新産業都市指定を背景に誕生しました。臨海工業地帯への企業進出に伴い増加した従業員の住宅需要に応えるため、新住宅市街地開発事業として整備されました。

185万平方メートルという広大な敷地に、計画戸数6,500戸という大分県内最大規模の住宅団地として開発されました。かつては原野であったこの地は、第二次世界大戦後に開拓され、「拓かれた野」という意味を持つ「明野」と名付けられました。

明野団地の特徴として、公営住宅や分譲マンションに加え、新日本製鐵をはじめとする関連企業の社宅が数多く存在することが挙げられます。そのため、居住者の多くは企業の転勤に伴い県外から転入してきた人たちであり、県外からの転入者は全体の約4割を占めていました。

2001年には人口が約2万4千人に達するピークを迎えましたが、その後は減少傾向にあります。2014年5月末時点の人口は約2万2千人となり、高齢化も進んでいます。地区内の3つの小学校では、児童数が最盛期の半分以下に減少しています。

しかし、近年では老朽化した企業社宅の建て替えが進み、跡地には戸建て住宅やマンションが建設されるなど、新たな試みが展開されています。明野北地区では、既存の社宅の近隣に新たな社宅も建設されており、団地の変貌が続いています。

人口

2014年5月末現在、明野地区の世帯数は9,385世帯、人口は22,493人でした。

沿革

明野団地の開発は1965年11月、大分県住宅供給公社による明野第1工区（緑町）の造成開始から始まりました。その後、順次各工区の造成が進められ、1970年代には明野西小学校、明野東小学校、明野中学校が開校するなど、生活基盤が整備されていきました。

1971年にはトキハインダストリー明野センター（現あけのアクロスタウン）がオープンし、商業施設も充実しました。また、明野中央病院の開院や、道路整備なども進みました。

1970年代後半からは、明野まつりや明野大体育祭などの地域イベントが開催されるようになり、地域コミュニティの醸成にも貢献しました。近年では、明野団地開発50周年記念式典が開催されるなど、歴史と伝統を継承する取り組みも行われています。

主要施設

明野団地内には、教育施設、商業施設、医療施設などが整備されています。

教育施設

大分工業高等専門学校
大分中学校・高等学校
明野中学校
明野東小学校
明野西小学校
明野北小学校

商業施設

* あけのアクロスタウン

明野団地は、大分市の発展を支えた重要な住宅団地であり、歴史と変遷を刻みながら、現在も人々の生活を支えています。今後も、人口減少や高齢化への対応、地域の活性化に向けた取り組みが継続していくでしょう。

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