星くず兄弟の伝説 (映画)

映画『星くず兄弟の伝説』

『星くず兄弟の伝説』（ほしくずきょうだいのでんせつ）は、1985年6月15日に公開された日本の映画で、監督は手塚眞が務めました。近田春夫の1980年に発表されたスタジオアルバムを原案とし、近田自身がプロデュースに関わっています。

映画の背景と制作

この作品は、近田春夫が1980年代初頭に企画した架空のロックミュージカル映画を基にしており、最初は音楽アルバムとして発表されました。近田は、自身が愛する映画『ファントム・オブ・パラダイス』を意識し、スタジオアルバムを「サウンドトラック」として構想していました。しかし、そのアイデアは5年後の映画公開によって具現化したのです。

主演には、シンゴ役の久保田しんごとカン役の高木一裕（現・高木完）が起用され、脇役には多彩なキャストが参加しました。特に、歌手志望の少女マリモ役には戸川京子、歌手の虹カヲル役にはISSAYが選ばれ、アトミック南役には尾崎紀世彦が配役されています。また、サブキャストとして、人気ミュージシャンや著名な漫画家、小説家が出演し、作品に彩りを与えました。このようにして、映画は音楽とストーリーが交わる豊かな世界観を創出了しました。

あらすじ

映画の物語は、ライバル同士のシンゴとカンが、スカウトされたことで「スターダスト・ブラザーズ」というバンドとしてデビューするところから始まります。彼らはミュージシャンとして瞬時に成功を収めるものの、人気が高まるにつれて自己過信に走り、やがてその勢いは衰えます。ファンクラブ会長となったマリモが人気を博すと、彼らの立場は逆転することに。さらに新たにデビューした虹カヲルは、魅力的な外見とは裏腹に陰湿な性格を持ち、物語の展開に複雑さを加えます。

物語はシンゴがカヲルの陰謀からマリモを救おうと奮闘する中で進行し、最終的には緊迫した対決へとつながります。シンゴとカンは、マリモを守るために力を尽くすものの、思わぬ結末が待ち受けています。

興行と評価

公開時には、主演陣によるサウンドトラックアルバムがリリースされ、映画とともに話題を呼びました。続編として2018年には『星くず兄弟の新たな伝説』が公開され、その人気が続いていることを示しています。2002年にはDVD化され、今でも多くのファンに愛され続けています。

この映画は、単なる音楽映画にとどまらず、当時のファッションや若者文化、エンターテインメントの先端を体現した作品として位置づけられ、その独特なスタイルは今もなお新鮮に映ります。近田春夫の独自の視点と創造性が結実したこの作品は、日本映画界において重要な一作とされています。

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