星の王子 ニューヨークへ行く2

『星の王子ニューヨークへ行く2』は、1988年の大ヒット作『星の王子ニューヨークへ行く』の正当な続編として制作されたアメリカ合衆国のロマンティック・コメディ映画です。前作から30年の歳月が流れ、アフリカの架空の国ザムンダ王国の王子であったアキームは、今や壮年期を迎え、国王の座に就こうとしています。

しかし、アキームには大きな秘密がありました。彼がアメリカで出会ったリサとの間に生まれた娘たち以外に、アメリカで暮らす息子ラヴェルがいたのです。この事実はアキーム自身も知らぬまま、余命いくばくもないアキームの父、ジャッフェ国王が明かします。ザムンダ王国の王位継承は男系であるため、アキームとリサには王位継承者となる息子がいなかったのです。ジャッフェ国王は、息子のラヴェルを皇太子として迎えたいという強い願いをアキームに伝え、息を引き取ります。

アキームは、親友で側近でもあるセミと共に、再びニューヨークへと旅立ちます。目的は、アメリカで暮らす息子ラヴェルを見つけ出し、ザムンダ王国に連れ帰る事。しかし、ニューヨークでの生活は、30年前とは全く違っていました。かつての面影を残しつつも、大きく変化した街で、彼らは様々な困難やハプニングに遭遇します。

本作には、エディ・マーフィがアキーム王子と複数の個性的な役を演じ分けるなど、前作からのキャストが多く出演しています。アーセニオ・ホールもセミ役を始めとする複数の役を演じており、2人の絶妙な掛け合いが笑いを誘います。さらに、ウェズリー・スナイプス演じる隣国ネクスドリアの最高指導者イジー将軍との対立など、前作から続く因縁も描かれています。

しかし本作は、単なるコメディ映画ではありません。アキームとラヴェルの父子関係、アキームとリサの夫婦愛、そしてザムンダ王国の伝統と近代社会の衝突など、様々なテーマが織り込まれています。それぞれの登場人物の葛藤や成長が丁寧に描かれ、笑いと感動の両方を味わえる作品となっています。

特に注目すべき点は、本作が故ジェームズ・アール・ジョーンズと故ルイ・アンダーソンの最後の映画出演作となったという点です。ジェームズ・アール・ジョーンズはジャッフェ国王を、ルイ・アンダーソンはマクドゥーウェルのレストランで働く従業員を演じています。2人の名優の最後の演技は、本作に深い感慨を与えています。

『星の王子ニューヨークへ行く2』は、前作を踏襲しつつも、新たな登場人物やストーリー展開で、前作以上のスケールと深みを持った作品に仕上がっています。笑いと感動、そして家族の愛を描いた、必見の映画と言えるでしょう。豪華キャスト、笑えるシーン、そして心に響く感動的な展開が、あなたを魅了すること間違いありません。

製作過程においては、2017年に続編企画が発表され、エディ・マーフィとアーセニオ・ホールの出演が確定するまでには時間を要しました。2019年には本格的なキャスティングが始まり、前作からの主要キャストに加え、多くの新たな俳優が参加しました。撮影はジョージア州アトランタで行われ、リック・ロスのメガマンションもロケ地として使用されました。

当初は劇場公開が予定されていましたが、新型コロナウイルスの世界的な流行の影響を受け、Amazonプライム・ビデオで独占配信されることとなりました。1億2500万ドルという高額な配給権取得額は、本作への期待の高さを示しています。

もう一度検索