星野玲子

星野 玲子

星野 玲子（ほしの れいこ）は、1969年7月22日生まれの日本の元女子プロレスラーです。リング上ではミステリアスなマスクウーマン、「ザ・スコルピオン」としても知られ、その短いながらも濃密なキャリアは、日本の女子プロレス史に確かな足跡を残しました。血液型はB型です。

経歴

プロレスラーの世界に足を踏み入れる前、星野玲子はキックボクシングの練習生として心身を鍛えていました。そこで培った経験を活かすべく、1987年に当時人気を博していたジャパン女子プロレスの門を叩きます。

約1年間の厳しいトレーニング期間を経て、1988年1月10日、プロレスラーとして記念すべきデビュー戦を迎えます。舞台はプロレスの聖地とも称される後楽園ホール。対戦相手は村光代でした。

デビュー当初の彼女は、その小柄な体格からは想像もつかない、前に出ることを恐れない思い切りの良いファイトスタイル、いわゆる「突貫ファイト」で観客を魅了しました。しかし、彼女のキャリア最大の転機はすぐに訪れます。

1989年6月、星野玲子は突如としてその姿を大きく変えました。顔を覆うミステリアスなマスクを着用し、「ザ・スコルピオン」と名乗るマスクウーマンに変身したのです。この変身と同時に、彼女は当時女子プロレス界で悪の軍団として恐れられていた、デビル雅美率いるデビル軍団に加入します。これにより、それまでの清純なイメージから一転、ヒールレスラーとしての道を歩み始めました。

ザ・スコルピオンとして、デビル軍団の一員として活躍する中で、彼女はタイトル戦線にも絡むようになります。1991年3月17日、彼女は当時ジュニア戦線のトップに君臨していた尾崎魔弓と対戦。激しい攻防の末に見事勝利を収め、UWA&JWPジュニア王座のベルトを腰に巻きました。

しかし、ジュニアの頂点に立った栄光は長くは続きませんでした。同年10月10日、後にジャパン女子プロレス、そして女子プロレス界全体を牽引する存在となるキューティー鈴木からの挑戦を受けます。このタイトルマッチに敗れ、惜しくも王座から陥落することとなります。

ベルトを失ってからわずか2ヶ月後、1991年12月、星野玲子（ザ・スコルピオン）は惜しまれつつもプロレスラーとしての現役生活にピリオドを打ちました。約3年という短いキャリアではありましたが、その間に見せた変身、軍団加入、タイトル獲得といったドラマチックな展開は、ファンの記憶に深く刻まれました。

得意技

彼女の得意技として特に知られているのは以下の通りです。

ムーンサルトプレス: コーナーポストからの後方回転式プレス。ここ一番でのフィニッシュホールドとして使用されました。
フライング・ショルダー・アタック: スピードと勢いを乗せて相手に飛び込むショルダータックル。突貫ファイトを体現するような技でした。

獲得タイトル

UWA&JWPジュニア王座

関連情報

彼女に関する情報は、当時のプロレス雑誌や関連書籍にも記されています。

ベースボール・マガジン社『週刊プロレス名鑑ロマン 15年クロニクル』（2004年）
日本スポーツ出版社『1997女子プロレス☆オールスター SUPER CATALOGUE』（1997年）
ジャパン女子プロレス パンフレット『The JWP vol.V』（1989年）

星野玲子、そしてザ・スコルピオンとしての彼女は、短い期間にその個性と実力を見せつけ、ジャパン女子プロレスの歴史の一部として確かに存在していました。

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