星雲社

株式会社星雲社とは

株式会社星雲社は、東京都文京区に本社を構え、中小出版社に特化した流通責任出版社です。この会社は流通業務の受託を主な業務としており、出版取次との取引口座を持たない中小の出版社を支援する存在として重要な役割を果たしています。星雲社の設立メンバーは、かつて構想社に所属しており、同じビルに入居していたことが背景にあります。構想社は2018年4月に清算されました。

業務内容

星雲社の主な業務は、中小出版社の流通代行です。具体的には、取次市場との交渉、入出金の管理、在庫の管理、そして受注対応など、多岐にわたる業務を手がけています。しかし、書店に対する訪問営業や注文のFAX送付、といった直接的な販売促進は行っていません。このような業務はしばしば「口座貸し」と呼ばれ、星雲社を介して出版された書籍には、発行元として出版社名が、発売元として星雲社の名称が記載されています。

同様のビジネスモデルを持つ出版社は多く存在しますが、星雲社は販売促進業務や自社での編集業務を行わない点が特筆されます。これは、流通業務に専念することで、多くの出版社から信頼を得ている要因となっています。

取引方針

星雲社は法人との取引に関して、特に厳格な制限を設けていません。株式会社を含む法人形態に関わらず、取引を希望する版元に対してほぼすべての門戸を開いています。そのため、取引を拒否されるケースは非常に稀です。一方で、個人との取引や、自費出版に関連する商品の流通は原則として行っていません。

東京商工リサーチによると、2010年3月期の売上高は約30億3千万円、利益は1450万円に達しています。これは、中小出版社に対する流通支援のニーズが高いことを示しています。

提携先

星雲社には、著名な出版社から地域に根ざした出版社まで、さまざまな出版社が流通を委託しています。具体的には、アルファポリス、彗星社、リベラル社、みらいパブリッシングなど、多岐にわたる出版社が名を連ねています。また、国際通信社HDや報道通信社、現代図書といった専門的な出版社も懇意にしており、星雲社を通じてその流通を強化しています。これにより、さまざまなジャンルの書籍を流通させる体制を整えています。

競合他社

この業界には、星雲社と同様の業務を展開している他の会社も存在します。サンクチュアリ・パブリッシングや日販アイ・ピー・エス、メディア・パルなどがその例です。これらの会社も流通代行を行っていますが、星雲社のように成長を遂げている事例は数少ないといえます。

結論

流通責任出版社としての役割を果たしている株式会社星雲社は、中小出版社にとって重要なパートナーです。各出版社のニーズに応じたサービスを提供し、業界全体の発展に寄与する姿勢を貫いています。今後も、さらに多くの出版社とのチャンスが期待されるでしょう。

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