春よ、来い (テレビドラマ)

『春よ、来い』

概要

『春よ、来い』（はるよ、こい）は、1994年10月3日から1995年9月30日まで放送されたNHK連続テレビ小説で、この作品は定期的に放送される全307回のエピソードから成り立っています。これはNHKが放送を開始してから70周年を祝う記念作品となり、原作者は著名な脚本家・橋田壽賀子で、その自伝的小説がドラマ化されました。

物語は、高倉春希という女性の人生を中心に展開されます。大学進学のために上京した彼女が、脚本家としての成功を収め、さらには夫との別れを経験するまでの道のりが描かれています。ヒロインの役は、当初は安田成美が務めていましたが、彼女が突然降板した後、中田喜子がその役を引き継ぎました。このため、作品の前半を「第一部」、後半を「第二部」と区分する形になっています。

この作品は、全体を通して1年間放送された最後のNHK連続テレビ小説となっており、その後の作品は短期間のシリーズに移行しました。また、「10月から始まるのが次の年の9月までのサイクル」という形式も、この作品だけの特長です。

主題歌と視聴率

橋田壽賀子がこれまでに手がけた作品には多くの成功作が含まれており、本作でも彼女の独自の視点が盛り込まれていますが、登場人物はすべて架空のキャラクターです。『君の名は』以来、視聴率が下降傾向にあったのを受けて、主題歌には松任谷由実が起用され、豪華なキャスト陣も話題を呼びました。しかし、視聴率は初回から27%と振るわず、最高でも29.4%に留まり、30%を超えることはありませんでした。

放送ライブラリーでは、第1回のエピソードが見られるようになっています。

あらすじ

第一部

物語は、人気脚本家である春希が、最愛の夫に癌の告知を受けた時の心情から始まります。彼女は仕事への意欲を失い、伊豆にある自宅で夕日を眺めながら自らの人生を振り返ります。春希は戦争を乗り越え、女子大学に進学し、友人や映画、シナリオとの出会いを経て、自らの進むべき道を模索していきます。

第二部

春希の人生は、両親を失い、恋人との別れなどによって一時は自暴自棄に陥りますが、自殺未遂騒動を経て、撮影所で出会った花井凉子やその家族の支えを受けながら自立の道を歩み始めます。彼女は矢野原高志と出会い、やがて結婚しますが、周囲の理解と協力を得ながら順調に脚本家としての道を進むも、高志が病に倒れるといった試練も待ち受けています。

役者交代について

春希の役柄は、初めは安田成美が演じていましたが、撮影中に体調不良を理由に降板し、その後は中田喜子が2部で引き継ぐこととなりました。この降板劇では橋田壽賀子が記者会見を開き、安田に対する不満を口にしました。降板の理由については様々な憶測が飛び交い、安田の非公表の出自に関連した発言もあったため、様々なニーズや視聴者の期待に応えることは難しい状況だったといえるでしょう。

主要キャスト

この物語には多くの個性的なキャラクターが登場します。春希の同級生や親友、家族など、彼女の成長を見守る人々がそれぞれの人生を持ち、春希への影響を与えていきます。特に、親友の凉子やその家族との関係は、春希の自立へ向けた道のりにとって重要な要素となります。

制作スタッフ

本作の作は、引き続き橋田壽賀子が担当し、音楽は松任谷正隆が手掛けました。主題歌「春よ、来い」は松任谷由実が歌い、その心に響くメロディが多くの視聴者に受け入れられました。番組制作に関わった多くのスタッフの努力が、高いクオリティのドラマを生み出したのです。このように『春よ、来い』は、様々な要素が組み合わさり、一つの物語として成立しました。

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