春日出発電所

春日出発電所

春日出発電所は、大阪市此花区西九条7丁目に位置していた石油火力発電所で、1963年から2002年まで関西電力によって運転されていました。この発電所は出力が31万2000キロワットであり、大阪地域の電力供給の一翼を担いました。春日出発電所の紹介にあたり、以前に存在した春日出第一発電所と春日出第二発電所についても触れていきます。これらの発電所は大正時代に建設された石炭火力発電所で、春日出第一発電所は1952年まで、第二発電所は1959年まで運転されていました。

歴史

春日出第一発電所の誕生

春日出第一発電所は、明治・大正期の大阪電灯によって建設されました。発電所は、安治川と六軒家川に挟まれた土地に立地しており、発電に必要な水を確保しやすい環境でした。1915年に増設計画があったものの、第一次世界大戦による電力需要の急増を受け、1916年に新たな発電所の許可が下りて工事が開始されました。1918年にはボイラーとタービン発電機が完成しましたが、不具合が続き、出力を制限せざるを得ない状況が続きました。これに対処するためにさまざまな改善工事が行われ、より安定した運営が実現されました。

第二発電所の建設

その後、春日出第二発電所が建設されることになりました。初めは第一発電所に増設される予定でしたが、様々な不具合や住民の反対運動により、隣接地に新たに設置される方針に転換されました。1922年にはボイラーとタービン発電機が完成し、出力は4万キロワットに達しました。二つの発電所は、大同電力に引き継がれることになり、20年にわたって運用されることになりました。

戦後の再開発

1951年、電気事業の再編成が実施され、春日出第一発電所は廃止されましたが、第二発電所は1959年まで運転されていました。その後、関西電力は春日出第二発電所跡地を再開発する計画を立て、新たに春日出発電所を建設し、1963年に運転を開始しました。この新しい発電所は、以前とは異なり石油を燃料としたもので、出力は156,000キロワットに及びました。

老朽化と解体

しかし、1990年代になるとこの発電所も老朽化が進み、2002年には運転を停止し、翌年に取り壊されることとなりました。それまで大阪地域で多大な役割を果たした春日出発電所は、その歴史に幕を下ろしました。

設備の概要

春日出第一発電所は、水管ボイラーを備え、タービン発電機は三菱製でした。更新後には出力が向上し、第二発電所も様々なボイラーやタービンが設置されました。関西電力の春日出発電所では、重油を燃料とする2号機と1号機がそれぞれ156,000キロワットの出力を持ち、高い発電効率を誇っていました。

結論

春日出発電所は、大阪市内の電力供給を支える重要な存在であり、その設立から解体までの歴史は、地域の電力供給の変遷を象徴しています。発電所の変遷を通じて、技術の進歩や電力需要の変化、さらには地域社会との関わりといった、さまざまなテーマが浮かび上がってきます。

もう一度検索