春日山古墳群

春日山古墳群: 大津市の歴史的遺産

滋賀県大津市に存在する春日山古墳群は、古代日本の歴史を物語る貴重な遺跡です。1974年12月23日には国の史跡に指定され、多くの訪問者や研究者に注目されています。この古墳群は、JR堅田駅から西に約1キロメートル離れた春日山丘陵に広がっています。標高160メートルのこの丘陵には、2基の前方後円墳を含む200基以上の古墳が点在しています。

古墳の時代背景

春日山古墳群内の前方後円墳は、4世紀後半に築造されるとされ、その他の多くの古墳は6世紀中頃から7世紀前半にかけてのものと考えられています。この地域、特に堅田・真野地区は古代に滋賀郡の真野郷として知られ、和邇氏という豪族が治めていたとされています。春日山古墳群は、この和邇氏の墓域である可能性が高いとされ、歴史研究においても重要な位置を占めています。

調査の経緯

1968年には滋賀県教育委員会が春日山古墳群に対する調査を行い、これを5つの支群に分けて171基の古墳を確認しました。その後、滋賀県や大津市、さらには京都教育大学考古学研究会による継続的な調査が実施され、古墳の数はさらに増加しました。最終的には、11の支群（A〜K支群）に分けられ、合計200基以上の古墳が確認されています。

E支群の特徴

春日山古墳群の中で特に注目されるのがE支群です。この支群には、前方後円墳の1号墳と12号墳が含まれており、国の史跡として指定されています。1号墳（春日山古墳）は全長65メートル、後円部は直径32メートル、前方部は幅20メートルあります。一方、12号墳は全長54メートル、後円部直径27メートル、前方部幅15メートルです。これらの古墳は未発掘のため詳細は不明ですが、木棺直葬がなされていると考えられています。また、E支群の古墳は、木棺直葬や箱式石棺、横穴式石室といった埋葬様式を持っており、全体で32基の古墳が確認されています。

古墳の築造時期

古墳の築造時期については、1995年の滋賀県文化財保護協会の報告によると、前方後円墳2基は4世紀後半から5世紀初めの頃に築かれたと考えられています。特に12号墳は、地勢的に見ても先に造られた可能性が高いとされています。その後の円墳は、5世紀前半から6世紀前半にかけて建設されたという分析もあります。

結論

春日山古墳群は、日本の古代史を理解するための貴重な資料を提供する遺跡であり、研究者や歴史愛好者にとって訪れる価値のある場所です。古墳の構造や出土品は、当時の人々の生活や文化を知る手がかりとなるでしょう。また、この地域の考古学的調査は今後も続けられることが期待され、さらなる歴史的発見が待たれることでしょう。

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