春日市民図書館

春日市民図書館の概要

福岡県春日市にある春日市民図書館は、市立の図書館として地域の文化的な交流の場となっています。2004年には、子ども読書活動の優秀実践図書館として表彰され、地域における読書促進への取り組みが高く評価されています。この図書館は、春日市ふれあい文化センターの中に位置しており、地域住民はもちろん、近隣の市町からも利用されています。

沿革

春日市民図書館の歴史は1924年にさかのぼります。当時、春日市はまだ村でしたが、その村立図書館が公民学校内に設置されたことがスタートです。昭和の時代に入り、公民館図書室が増設されるものの、本格的な図書館は存在しませんでした。1983年には、公民館図書室の蔵書がわずか13,500冊程度にとどまっていましたが、人口増加に伴い図書館設置のニーズが急速に高まります。

1981年に策定された『春日市総合計画』では、図書館の建設が検討され、1984年のアンケートでも市民の3人に1人が図書館の設置を求める結果となりました。このような市民の声を受けて、1990年には「春日市図書館計画審議会」が発足し、具体的な図書館施設の構想が始まりました。1995年には春日市民図書館が開館し、以後、市民に広く親しまれる存在となっています。

運営体制

図書館の開館当初は、財団法人春日市文化スポーツ振興公社に運営が委託されていましたが、2002年からは市が直接管理・運営を行うようになりました。さらに2016年、民間による運営への移行が発表され、図書館のサービス向上を目指した方針が示されました。指定管理者には、図書館流通センター（TRC）が選定され、春日市民図書館の運営が行われています。

図書館サービス

貸出と予約

春日市民図書館では、市民や近隣の市町に在住・通勤・通学する人々に向けた貸出サービスを提供しています。利用者には図書館カードが必要で、貸出冊数には制限があります。以前は無制限で貸し出されていた図書も、現在は最大10冊（2週間）に制限されています。視聴覚資料については、借りられるのは最大3点で、貸出期間は2週間に延長されています。

また、予約サービスでは、他の利用者に貸し出されている資料についても予約を行うことが可能であり、図書館内やウェブサイトから手軽に利用できるようになっています。

レファレンスサービス

図書館では「しらべものサービス」として、市民ニーズに応じたレファレンスサービスを提供しています。行政や議会からの要請に応じた情報提供も行っており、住民に対する支援サービスも強化されています。

開館日と開館時間

春日市民図書館は、一般的に毎週月曜日を休館日とし、それ以外の火曜日から日曜日に開館しています。

相互利用協定

春日市民図書館は2000年に包括的な相互利用協定を締結し、周辺の16の市町と連携しています。この協定により、春日市民だけでなく、他市町の住民も図書館の資料を借りることができるため、幅広い利用が促進されています。

建物の特長

図書館は地下1階、地上2階の鉄筋コンクリート構造で、総工費は約70億円です。1階には開架書架があり、2階と地下1階には事務所や閉架書庫などが設けられています。

移動図書館

移動図書館車「たんぽぽ号」が運行されており、図書館サービスを地域に広める役割を果たしています。開館前から運行を開始し、地域住民への図書館利用を促進しているのが特徴です。経済的理由から必要ないとの声もありましたが、移動図書館はサービスの重要な一環として位置づけられています。

春日市民図書館は、地域に密着した図書館サービスを通じて、文化の発展と市民のライフスタイル向上に寄与しています。

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