春生門事件

春生門事件とは

春生門事件（しゅんせいもんじけん）は、1895年11月28日に李氏朝鮮の漢城府（現ソウル）において起こった政治的な事件です。この事件は、ロシア軍とアメリカ軍の水兵が関与し、親露派の元農商工部大臣である李範晋によって、当時の総理大臣金弘集の暗殺を企てたものとして知られています。

背景

この事件は、乙未事変の後の朝鮮における内乱の続発と、各国の介入によって徐々に複雑化していった政治情勢の中で生じました。李範晋は閔妃の指示を受けて、閔派内閣を結成し、金弘集らの暗殺計画を立案しました。これにより、朝鮮の政治情勢はより緊迫したものとなっていきました。

事件の経過

1895年には様々な出来事が続きました。7月6日、金弘集は総理大臣を更迭され、その後閔妃は李範晋に命じて閔派内閣を組織し、暗殺計画を練ることになります。10月6日には、閔派が訓練隊の解散を通告し、関係が緊張の一途をたどります。そして10月8日、乙未事変が発生しました。

その後、11月27日には李範晋と李敏宏が景福宮襲撃に向けた準備を開始し、ついに11月29日の事件へとつながります。この日の朝1時頃、約800人の兵士と数名の刺客が景福宮の春生門前に集結し、開門を要求しました。守備隊はこれに対抗しましたが、暴徒の一部が北墻門から侵入し、守備兵を制圧しました。

事件の結末

状況は混乱し、暴徒は一時的に制圧されるも、その後、さらなる攻撃が続きました。アメリカ人宣教師たちも皇宮への突入を試みましたが、守備隊の反撃に遭い、引き上げざるを得なかったという記録があります。最終的には事件の首謀者に対して、厳しい処罰が下されました。暗殺未遂に関与した者たちはそれぞれ異なる刑罰を受け、特に李道徹（隊長）や林最洙（侍従職）は死刑にされました。

影響

春生門事件は、李氏朝鮮の政治状況に深刻な影響を及ぼしました。この騒乱は後の朝鮮国内の権力闘争をさらに激化させ、外国勢力の介入を促す結果となりました。また、事件への外国の関与は、朝鮮の主権を揺るがす要因ともなり、幕末から近代にかけての重要な転機とされるのです。

この事件を通じて、朝鮮の政治的混乱や外国勢力の関与がいかに深刻であったか、そしてそれがもたらした影響について考えることが重要です。春生門事件は、単なる一つの事件ではなく、当時の朝鮮の歴史を知る上での重要な教訓を提供するものでもあります。

もう一度検索