春風亭柳枝 (9代目)

九代目 春風亭 柳枝

九代目春風亭柳枝（くだいめ しゅんぷうてい りゅうし）は、日本の著名な落語家であり、落語協会に所属しています。本名は小杉学史（こすぎ まなふみ）、1981年8月23日に東京都目黒区で生まれました。彼の出囃子は「都囃子」であり、今なお多くの観客に愛される芸人であることを証明しています。

経歴

柳枝の経歴は、安田学園中学校・高等学校を経て、明治学院大学文学部芸術学科に進学するところから始まります。大学卒業後、2006年4月に春風亭正朝に入門し、学び舎となる落語の世界に足を踏み入れました。当初は前座として「正太郎」という名で活動を開始し、同年11月には正式に前座に昇進します。

2009年11月には仲間の三遊亭めぐろや古今亭大五朗と共に二ツ目に昇進し、期待の若手落語家として注目を集めます。さらに2021年3月には真打に昇進し、自身の名跡である九代目春風亭柳枝を襲名しました。その初高座は鈴本演芸場で行われ、多くの落語ファンに熱狂的に迎えられました。

昇進披露宴は新型コロナウイルス感染症の影響で数度延期されましたが、2023年9月28日に帝国ホテルで盛大に開催され、500人以上の来賓が参加しました。スペシャルゲストにはさだまさしが登場し、華やかな宴となりました。

受賞歴

柳枝はその実力を多くの競演会で示し、受賞歴も多数あります。2015年3月には第14回さがみはら若手落語家選手権で優勝、9月には第26回北とぴあ若手落語家競演会でも優勝を果たしました。2016年10月には読売杯争奪 激突!二ツ目バトルで優勝し、2023年には令和4年度花形演芸大賞で銀賞を受賞しました。さらに同年12月には金賞を受賞し、翌年の令和6年度花形演芸大賞でも金賞を受賞する予定です。

人物像

趣味は漫画や似顔絵を描くこと、読書、古典ミステリーの研究、映画鑑賞など多岐にわたります。安田学園高等学校の先輩には立川龍志や3代目古今亭圓菊がいます。また、アマチュア時代には「波雷亭可ん朝」という別名で高座に上がっていたこともあります。

柳枝には気象予報士の弟である小杉浩史がいます。ヒューマンな一面も持ちながら、家庭を持ち一男の父としての顔も持ちます。また、2011年10月には東日本大震災後の福島県いわき市で農作物の安全性をPRする特別委員に任命され、活動にも積極的に関わってきました。

柳枝は、伝統的な落語の中で消えて行く演目を引き継ぎ、特に春風亭柳朝の新作落語「駆込寺」を演じることで、古典を生かした新しい形の落語を探求しています。更に、彼は2024年に発生した能登半島地震の際に復興支援プロジェクトを立ち上げ、チャリティー公演を通じて集めた寄付を風に立つライオン基金に寄付するなど社会貢献にも力を入れています。

演目と出演情報

柳枝の演目には独自の色があり、特に伝統的な落語に新しい風を吹き込んでいます。出囃子は2006年から2021年までは「お若いの」を使用し、それ以降は「都囃子」を用いています。また、テレビやラジオでも幅広く活躍し、新しいファン層を獲得しています。特にNHK番組への出演は多く、メディアでもその活躍が見られることから、今後も注目の落語家としての地位を確立しつつあります。

このように、九代目春風亭柳枝は、落語の伝統を受け継ぎながらも新しい時代に合ったスタイルを模索し続けている魅力的な芸人です。

もう一度検索