昭和ブルース

昭和ブルース

「昭和ブルース」は、1969年に公開された映画『若者はゆく -続若者たち-』の主題歌として誕生した楽曲です。この曲は、ザ・ブルーベル・シンガーズによって歌われ、同年9月に日本グラモフォンからポリドール・レーベルで発売されました。歌詞には「昭和」が含まれており、その時代を象徴する曲のひとつとして多くの人に親しまれています。

ザ・ブルーベル・シンガーズのオリジナルバージョン

映画『若者はゆく』は1969年5月に松竹によって配給されました。この映画の中で使用された挿入歌として「昭和ブルース」が選ばれ、シングルは公開から数か月後の9月にリリースされました。興味深い点は、シングルのジャケットに映画の出演者である佐藤オリエや田中邦衛などの写真が使われ、ザ・ブルーベル・シンガーズのメンバーの顔は裏側に収められていたことです。

このシングルはオリコンのトップ10にも入賞し、1970年の10月には7位を記録しました。その結果、売上は累計80万枚に達し、曲としての地位を強固なものにしました。

天知茂のバージョン

1973年に放送が始まった刑事ドラマ『非情のライセンス』は、プロデューサーの片岡政義が「昭和ブルース」に感銘を受けて作られたものでした。主人公会田刑事を演じた天知茂が歌うこの曲は、エンディングテーマとして多くの視聴者に愛されることとなります。8月にはシングルが発売され、B面には「非情のライセンス」のインストゥルメンタルテーマが収録されていました。

『非情のライセンス』は1980年まで続く人気シリーズとなり、シングルも複数回リリースされます。天知の歌う「昭和ブルース」は、その売上が1975年7月までに30万枚を超え、彼がこの曲の代表的な歌手としての地位を確立しました。

その他のカバー

「昭和ブルース」は多くのアーティストにカバーされ、時代を超えて愛され続けています。加藤登紀子は1969年にリリースしたアルバム『ひとり寝の子守唄』に、この曲を収録しています。また、大信田礼子は1972年のデビュー作『女はそれをがまんできない/ノックは無用』で歌っています。フランク永井も1976年に発表したアルバム『Best Collection '75』にこの曲を収録し、その後のコンピレーションアルバムにも登場しました。

俳優の根津甚八は1976年のアルバム『ゆきずり 根津甚八・男の哀歌』に、この曲を含め、異なるアプローチでの解釈を試みました。さらに、声優の大塚明夫は2010年にリリースされたゲーム関連アルバム『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER 平和と和平のブルース』にこの曲を収録しています。

「昭和ブルース」は、様々なアーティストに受け継がれ、今もなお多くの人々の心に響く名曲として存在し続けています。

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