片岡政義

片岡 政義（かたおか まさよし）は、1930年に生まれ、2021年8月21日にその生涯を終えた日本のテレビプロデューサーです。かつてはテレビ朝日の社員として、多くの番組制作に携わりました。

経歴

片岡氏は、1951年に東京電機大学を卒業し、さらに1953年には群馬大学工学部電機部門を卒業しました。大学での学びを終えた後、様々な職務を経験したのち、1960年に東映テレビ・プロダクションへプロデューサーとして入社し、テレビ業界でのキャリアをスタートさせました。そして1962年には、当時日本教育テレビ（NETテレビ）として知られ、現在のテレビ朝日となる放送局に移籍し、ここでもプロデューサーとして精力的に活動を展開しました。

東映が制作したテレビドラマを中心に、多岐にわたるジャンルの番組において、その企画立案からプロデュースまでを担いました。特に1967年に担当したテレビドラマ『白い巨塔』の海外ロケでドイツ（ベルリン、フランクフルト、ハイデルベルク）を訪れた際、異国の地に触れたことで、将来の海外移住について深く考えるようになったといいます。移住先候補をスペインとポルトガルに絞り込み、両国の社会や文化を綿密に比較検討した結果、1985年にポルトガルへの移住を決断。1989年にテレビ朝日を定年退職した後、夫人と共にポルトガルへ移り住み、晩年を過ごしました。

主な担当作品

片岡氏が企画またはプロデュースとして携わった主なテレビ番組は以下の通りです。これらはすべて、日本教育テレビ（NET、現テレビ朝日）で放映されたものです。

新諸国物語 紅孔雀 （企画）
白鳥の騎士 （企画）
ミステリーベスト21 （企画）
若い台風 （企画）
0の眼 （企画）
孤独の賭け （企画、1963年）
廃虚の唇 （企画）
悪魔のようなすてきな奴 （企画）
アスファルトジャングル （企画）
悪の紋章 （企画）
娘・妻・母 （企画）
嵐のなかでさよなら （企画）
白い巨塔 （プロデューサー、1967年）
日本剣客伝（プロデューサー）
人形佐七捕物帳 （プロデューサー）
愛の戦士レインボーマン （プロデューサー）
非情のライセンス （プロデューサー　第1 - 第2シリーズ）
ダイヤモンド・アイ （プロデューサー）
ご存知遠山の金さん （プロデューサー）
ご存じ金さん捕物帳 （プロデューサー）
正義のシンボル コンドールマン （プロデューサー）
野望 （プロデューサー）
達磨大助事件帳 （プロデューサー）
江戸の牙 （プロデューサー）
鬼平犯科帳 （プロデューサー　萬屋錦之介主演版）
柳生あばれ旅 （プロデューサー）
傑作推理劇場 陳舜臣の神獣の爪 （プロデューサー）
文吾捕物帳 （プロデューサー）
柳生十兵衛あばれ旅 （プロデューサー）
ニュードキュメンタリードラマ昭和 松本清張事件にせまる「三島由紀夫自決事件」 （プロデューサー）

著書

ポルトガル移住後、自身の経験を基にした著書も出版しています。

『そして、夢は海を越えた』（山中薫との共著、テレビ朝日 刊、1990年）
『リスボンおじさんひねくれガイド 見る聞く、食べるポルトガル』（モジカンパニー 編、テレビ朝日事業局出版部、1997年）

テレビプロデューサーとして多大な功績を残す一方で、海外での生活を実現させた片岡政義氏は、2021年に91歳で逝去しました。

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