昭和通り (郡山市)

昭和通り（しょうわどおり）

福島県郡山市を南北に走る「昭和通り」は、かつて主要な幹線道路であった国道4号のルートの一部を引き継ぐ道路です。特に郡山市の中心市街地を通過する区間を指してこの愛称が広く用いられています。

概要

昭和時代に国道4号線として整備され、完成して以来、長年にわたり郡山市の南北を結ぶ重要な交通動脈としての役割を果たしてきました。地域の物流や人々の移動を支える大動脈として機能し、市の発展に大きく貢献しました。1981年（昭和56年）には、地元の郡山商工会議所によって、市街地を通る区間に「昭和通り」という親しみやすい愛称が名付けられました。この愛称は市民に定着し、郡山警察署前交差点から若葉町交差点までの区間などには、愛称を示す標識も設置されています。

しかし、郡山市内の交通量増加に伴う混雑が深刻化したため、並行する新たなバイパス道路であるあさか野バイパスの建設が進められました。また、市街地の主要な交差点における立体交差化工事も実施され、交通の流れを円滑にするためのインフラ整備が進みました。こうしたバイパスや立体交差路の完成により、幹線交通の役割の一部があさか野バイパスなどに移譲されることになりました。その結果、2016年（平成28年）4月1日をもって、昭和通りは国道4号の指定から外れ、道路としての位置づけが変更されました。

国道指定解除後、昭和通りを構成していた区間は、それぞれ異なる道路として指定されています。具体的には、

須賀川市の十貫内交差点から郡山駅入口交差点までの区間は、福島県道17号郡山停車場線
郡山駅入口交差点から若葉町交差点までの区間は、福島県道57号郡山大越線
若葉町交差点から三春街道入口交差点までの区間は、福島県道296号荒井郡山線
そして、三春街道入口交差点から日和田地区のあさか野バイパスとの合流点までの区間は、国道288号

として、それぞれ新たな道路として管理されています。このように、かつての国道4号は複数の道路に分割・再編されましたが、「昭和通り」という愛称は引き続き、市民に親しまれています。

道路の構造としては、若葉町交差点より南側の区間は、全線にわたって片側2車線が確保されており、一部の区間では片側3車線に拡張されています。特に交通量の多い朝夕の時間帯には、片側3車線区間の左側レーンがバス優先レーンとして運用されており、公共交通機関のスムーズな走行が図られています。さらに、文化通り入口交差点から善導寺前までの区間については、朝夕の時間帯はバス専用レーンとなり、一般車両の通行が規制されることで、バスの定時性確保に貢献しています。

また、市内の本町二丁目交差点から大町交差点にかけての中心市街地区間では、平成の初期に都市景観の向上のための整備が行われました。具体的には、電線の地中化により空が広く見えるようになったほか、歩道は色彩豊かな舗装が施され、中央分離帯には植栽がなされるなど、美しい街並みづくりが進められています。

歴史

昭和時代：国道4号として建設・完成。
1981年（昭和56年）：郡山商工会議所により、市街地区間に「昭和通り」の愛称が付与される。
1995年（平成7年）7月：並行するあさか野バイパスが全線開通。
2016年（平成28年）4月1日：国道4号の指定から外れ、県道17号、県道57号、県道296号、国道288号の一部となる。

昭和通りは、その歴史を通じて郡山市の発展を支え、現在も市民生活に不可欠な主要道路として機能しています。名称は変われど、多くの人々の記憶に残る道です。

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