昭和鉄工

昭和鉄工株式会社

昭和鉄工株式会社は、福岡県糟屋郡宇美町に拠点を置く産業機器メーカーです。暖房・空調に関する設備や、様々な産業で利用される機械の製造を主要な事業としています。創業から100年以上の歴史を持ち、その確かな技術力と実績は国内外で評価されています。福岡証券取引所に単独で株式を公開しており、地域に根ざした企業として知られています。

沿革

同社の歩みは、明治時代にまで遡ります。1883年、福岡の地で斎藤一氏が「斎藤製作所」を立ち上げたのが始まりです。当初は医療機器の製造から事業をスタートさせました。やがて事業領域を広げ、1894年には暖房設備の配管工事に着手し、翌年には井戸水の消毒装置を発明して特許を取得するなど、生活環境の改善に関わる技術開発にも力を入れました。同年には、国内で初めてとなるギルド放熱器の製作にも成功しています。1902年には東京に進出し、京橋区に営業所を開設しました。1916年には組織を合資会社に改め、事業体制を強化しました。1922年の発明品大博覧会では、同社のラジエーターが出品され、最高位の賞を獲得しています。

しかし、1923年に発生した関東大震災により、東京の本社工場が大きな被害を受け、閉鎖を余儀なくされました。これに伴い、福岡工場が本社機能を担うこととなり、飯田久次郎氏が新たな社長に就任し、経営の立て直しを図りました。

1934年、社名を現在の「昭和鉄工株式会社」へと改称し、新たな時代の幕開けを告げました。その後も事業拡大と組織再編を続け、1927年11月には福岡市内の箱崎町に工場を建設し、本社を移転しています（この記述は時系列が他の項目と前後している可能性がありますが、情報源に基づいています）。

戦後の復興期を経て、1959年11月にはアサヒ不動産株式会社（後の昭和トータルサービスに統合）を設立し、関連事業にも乗り出しました。翌1960年5月には、東京都大田区に株式会社昭和鉄工東京製作所を設立するなど、首都圏での製造・販売体制を確立しました。1983年には創業100周年を迎え、その歴史に新たな一頁を加えました。同年4月には、福岡市東区箱崎ふ頭に本社を移転しています。1988年4月には、東京製作所を吸収合併し、国内の生産体制の効率化を進めました。

1990年12月25日、福岡証券取引所に株式を上場し、企業としての信頼性と知名度を一層高めました。1995年12月には、中国大連市に地元企業との合弁会社、大連氷山空調設備有限公司を設立し、海外市場への展開を開始しました。1998年以降も、メンテナンス部門の昭和メンテサービス株式会社（現・昭和ネオス）、物流部門の昭和トータルサービス株式会社、そして朝日テック株式会社など、複数の関連会社を設立または事業を開始させ、グループ全体のサービス拡充と多角化を図りました。1999年4月には、札幌工場を独立させて北海道昭和鉄工株式会社が営業を開始しましたが、2009年1月にはこれを再び吸収合併し、組織の再編を行いました。

2017年11月には、本社を現在の福岡県糟屋郡宇美町に移転しました。近年では、革新的な技術開発への取り組みが評価され、2019年1月には「リタンエアデシカント外気処理機 ラデック HCDRシリーズ」が省エネ大賞の経済産業大臣賞という栄誉に輝いています。

主な関連会社

• - 昭和ネオス株式会社
• - 昭和トータルサービス株式会社
• - 大連氷山空調設備有限公司（中国）

これらの関連会社と共に、暖房・空調・産業機械分野において、製造からメンテナンス、物流まで一貫したサービスを提供しています。同社は、創業以来培ってきた技術と信頼を基盤に、今後も社会のニーズに応える製品づくりを目指していくことでしょう。

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