昭和31年台風第3号

昭和31年台風第3号の概要

昭和31年の台風第3号（国際名：セルマ/Thelma）は、1956年4月に日本を襲った特異な台風であり、統計開始以来日本に上陸した唯一の4月の台風として記録されています。この台風は、4月16日15時にカロリン諸島で発生し、その後フィリピンや南西諸島を通過して鹿児島県に上陸しました。

台風の発生から上陸まで

台風第3号は、1956年4月16日の午後3時にカロリン諸島で生成されました。台風がフィリピンの北部、特にルソン島に上陸したのは21日の夕方で、続いて南シナ海で進路を北に変えました。その後、24日には南西諸島に近づき、宮古島の近くを9時に通過しました。翌日の25日には大隅半島へ上陸し、朝9時にはその勢力を失い消滅しました。報道によれば、台風の消滅に関する記事では「台風3号が消えた」と簡潔に伝えられました。

台風の中心気圧は、フィリピンの東海上にいた段階で935hPaに達しましたが、進むごとにその勢力は急速に弱まっていきました。これは台風が上陸する地域に向かうにつれて、自然環境の影響を受けやすくなるためです。

早い台風上陸の記録

昭和31年の台風第3号は、1951年に統計が開始されて以来、最も早く日本に上陸した台風として記録されています。これまでの記録において、4月以前に上陸した台風は他に存在しません。特に、2021年現在でもこの記録は破られておらず、台風の上陸時期に関しては異例のケースとされています。

同じく早く上陸した案件としては、1965年の台風第6号がありますが、こちらの上陸日は5月27日と、昭和31年の台風第3号よりも1ヶ月以上遅いことから、この台風の早期上陸の特異性が際立ちます。

まとめ

昭和31年台風第3号は、その異例な早さで上陸したことで日本の気象史に名を刻んでいます。台風の発生から上陸、消滅に至るまでのプロセスは、自然災害の予測や対応の重要性を再認識させるものであり、特に早期警戒システムの必要性が強調される事例でもあります。これを起点に、日本の気象データや台風に関する研究が一層進展することが期待されています。

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