大隅半島

大隅半島の概要

大隅半島（おおすみはんとう）は、日本列島の南部、九州に位置する半島です。鹿児島湾の東岸にあり、西側には薩摩半島が面しています。この二つの半島に挟まれた位置には、1964年の「桜島大正大噴火」によって陸続きになった桜島があります。

行政区域と地理

大隅半島は、鹿児島県の曽於地区および肝属地区の一部から成り立ち、一般的には4市5町の行政区域で構成されています。地形的には、曽於市の一部（旧末吉町・財部町）が含まれず、逆に霧島市の一部（旧福山町）が半島に含まれることが多いです。また、大隅地域には桜島全域や一部の宮崎県も含まれています。「大隅」を「大隈」と誤って表記されることがありますが、正しい表記は「大隅」であり、この場合「隈」には「すみ」としての読みも存在しています。

半島の東部には内之浦宇宙空間観測所が存在し、1970年に日本初の人工衛星「おおすみ」を搭載したロケットが打ち上げられました。

大隅半島の面積は約2,540平方キロメートルで、総面積の約64%が森林に覆われています。薩摩半島と共に鹿児島湾を囲み、東側は太平洋に面しています。南端には佐多岬が位置しており、大隅海峡を挟んで大隅諸島と向き合っています。また、西側には桜島が陸続きになっており、東岸には内之浦湾や志布志湾といった湾が存在します。

人口と政治

大隅半島の人口は286,972人とされ、1955年の466,128人から38.4%の減少を見せています。現在、半島の多くの地域は過疎地域として認定されています。

政治的には、衆議院の小選挙区として霧島市や熊毛地区と共に鹿児島県第4区を構成しており、県議会では鹿屋市、垂水市、曽於市、志布志市、肝属郡などに選挙区が分かれています。

産業と経済

大隅半島では、農業、特に畜産が経済の中心を成しています。隣接する宮崎県の都城市と共に、国内有数の農産物生産地として機能しています。商業は鹿屋市を中心に展開されていますが、都市部への人口流出が見られ、経済的な活性化が求められています。

交通アクセス

大隅半島は交通面では鉄道がほとんどなく、志布志駅を中心にバス路線が組まれています。鹿屋市からは鹿児島中央駅への直行バスが運行されています。また、国際的な海上交通は志布志港や垂水港が重要な役割を果たしています。フェリーによって大隅港と大阪間の長距離輸送が行われており、陸路では大回りになるため、各港間での交通も活発です。

マスメディアと文化

大隅半島を対象とするマスメディアも存在し、地域の情報を発信しています。南九州新聞や地域コミュニティFMがその代表で、地域の文化や出来事を伝えています。また、地上波テレビやラジオは隣接県間でも視聴可能であることから、情報が広がりやすい環境が整っています。

まとめ

大隅半島は自然豊かな立地と独自の文化を持つ地域であり、観光資源や農業生産地としての大きなポテンシャルがあります。地域振興のためには、交通インフラの整備や経済基盤の強化が期待されます。

もう一度検索