昭和60年台風第13号

概要

1985年8月、太平洋上で発生した台風13号（国際名：パット）は、同時期に発生した台風12号との間で藤原効果と呼ばれる相互作用を引き起こしました。この影響で、台風13号は動きが遅くなり、沖縄の南海上をゆっくりと北東に進みました。さらに、日本の南の海上で台風14号が発生したことで、日本近海には3つの台風が存在するという複雑な状況となりました。これらの台風は互いに影響し合い、停滞や予測不能な進路変更を繰り返したため、進路の予測は非常に困難でした。

ゆっくりと沖縄近海を進んでいた台風13号は、8月30日に進路を北に変え、速度を上げながら九州地方へ接近しました。8月31日には最盛期の勢力で鹿児島県枕崎市に上陸し、九州を縦断しました。その後、9月1日には日本海へと抜け、北海道方面へ進んでいきました。

台風13号が九州に上陸する前日の8月30日には、台風14号が神奈川県横須賀市付近に上陸し、関東地方から東北地方にかけて広範囲に被害をもたらしました。また、台風13号が九州に上陸した翌日の9月1日には、8月29日に九州の南海上を西進し東シナ海で停滞していた台風12号が進路を北東に変え、8月31日から9月1日にかけて五島列島を通過し対馬海峡から日本海へと進みました。このため、九州地方には2つの台風が立て続けに襲来することとなり、高潮や大雨、漁船の遭難などの被害が相次ぎました。

被害

これらの台風（台風12号、13号、14号）による被害は甚大で、死者・行方不明者は31人、負傷者は232人に達しました。また、住家の損壊は7,805棟、浸水は2,858棟に及び、被害総額は714億円にのぼりました。

関連項目

藤原の効果
複雑な動きをする台風
昭和60年台風第12号
昭和60年台風第14号
令和4年台風第5号・6号 - 短期間に連続して九州沖縄に影響をもたらして朝鮮半島を直撃した台風。

外部リンク

デジタル台風：台風198513号（PAT）- 総合情報（気圧・経路図） - 国立情報学研究所（北本朝展）

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