昭懐皇后

昭懐皇后（しょうかいこうごう）

昭懐皇后（しょうかいこうごう）は、北宋の哲宗の皇后。姓は劉氏、諱は不詳。

生涯

劉安成と妾の王氏の娘として生まれた劉氏は、元々は哲宗の侍女であった。その仕事ぶりは卓越しており、聡明でありながらも短気で自由奔放な性格であったと伝えられる。後宮で最も美しい侍女との評判も高く、哲宗の寵愛を受けるようになった。

宣仁太后の崩御後、平昌郡君に封じられ、その後、紹聖2年（1095年）には美人に、同年10月には婕妤へと進んだ。女子を一人産んでいる。哲宗は劉氏を深く愛し、宣仁太后が選んだ正妻である孟皇后との間に、多くの確執が生じた。劉氏は孟皇后を軽んじ、側室としての礼を払わなかったという。

紹聖3年（1096年）には掖庭の獄が起こり、孟皇后は呪詛、媚薬使用、病原投与の罪で廃位される。これは劉氏の策略によるものとも言われている。

孟皇后の廃位後、劉氏は婉儀（従一品嬪）に進み、紹聖4年（1097年）に女子（純美帝姫）を産み、賢妃となった。さらに2年後には男子（趙茂）を産み、皇后の座を手に入れた。しかし、その2カ月後、2人の子供は相次いで夭折してしまう。哲宗は悲嘆に暮れ、自身も健康を害し、元符3年（1100年）正月に崩御した。

哲宗の崩御後、劉氏は皇太后向氏によって廃位されそうになるが、徽宗の取りなしにより免れた。しかし、向氏によって孟氏が皇宮に召還され、皇后に復位し、元祐皇后として劉氏よりも高い待遇を受けることになった。その後、殺害された卓氏が趙茂の実母であったという噂が広まる。同年5月、劉皇后は激怒し、上奏文で自身の潔白を主張し、公開審判を請求した。翌崇寧元年（1101年）、徽宗によって劉皇后の名誉は回復された。翌年には孟氏が再び廃位され、劉氏は太后と尊称され、「崇恩」の徽号が贈られた。

政和3年（1113年）2月、劉氏は急死した。「懐」と諡され、哲宗の永泰陵に合葬された。死因については、下人に迫られて自ら縊死したという説がある。外臣との密通や垂簾政治を望んだことが原因で、徽宗が太后劉氏の廃位を準備していたが、腹心らの献策により自死という形になったとも伝えられている。

逸話

紹聖2年（1097年）9月、哲宗が祭壇で祭祀を執り行った際、当時美人の位にあった劉氏が哲宗の側に侍った。本来、皇帝以外の者は離れて見上げるべきところであったため、常安民が諫めたが、哲宗はこれに腹を立てた。翌月、劉氏は婕妤に昇進した。

紹聖3年（1098年）、后妃が景霊宮（先帝たちの霊位）に詣でた際、孟皇后が勤めを終えて着席すると、他の妃嬪たちは側に立っていたが、劉婕妤は皇后に背を向けて御簾の下に立っていた。孟皇后の侍女である陳迎児が退くように促したが、劉婕妤は全く意に介さなかった。その後、哲宗は陳迎児を杖罪に処して追放した。

北宋時代、翰林学士たちは皇帝・皇后・妃嬪に「新春貼子」（年賀詩）を献上していた。元符2年（1099年）の新春、蔡京は劉賢妃のために詩を作り、「三十六宮人第一、玉楼深処夢熊羆」と詠んだ。

子女

女子：懿寧公主（純美帝姫）
皇子：趙茂

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