昼間点灯

昼間点灯（ちゅうかんてんとう）とは

昼間点灯とは、日中の明るい時間帯に車両の前照灯やランプを点灯させることを指し、日本ではデイライトとも呼ばれています。この取り組みは、被視認性を高め、交通事故の防止に寄与することを目的としています。

その背景と普及の経緯

昼間点灯に関する研究は1970年代から開始され、特にスカンディナヴィア諸国（スウェーデン、フィンランドなど）が先駆けとなり、その後世界中に広まりました。日本では、鉄道や緊急車両を除いた一般車両での実施は少なかったですが、2000年代以降はLED前照灯を搭載する車両が増加し、ドレスアップ目的でも駐車場での昼間点灯が見られるようになりました。

鉄道における昼間点灯

鉄道も例外ではなく、東海道新幹線では開業以来、前照灯や尾灯を常時点灯させています。1989年からはJR全社において昼間点灯の運用が始まり、名古屋鉄道が初めて全線で実施する例もみられています。ただし、特定の路線では昼間点灯が行われないこともあります。また、転落防止の取り組みとして、JR西日本では運転台間の明るい灯光を常時点灯する措置も行われています。

自動車における昼間点灯

北欧諸国やカナダでは、早くから昼間の点灯が義務づけられており、日本でも1970年代に救急車やパトカーなどが利用していました。1995年には長崎県で配達用トラックの昼間点灯が始まり、日本全国に広がる潮流となりました。その後、2016年に国土交通省が保安基準を改正し、オートライトの義務付けも行われました。

オートバイと自転車

オートバイでは、1979年の菅井運動以来、昼間点灯の重要性が認識され、1998年には保安基準が改正されました。バッテリーへの負担を軽減するため、消灯スイッチも存在しない構造が導入されています。自転車については滋賀県が自動車の昼間点灯を促し、現在では自転車も対象とした運動が行われています。

昼間点灯の課題

しかし、昼間点灯にはいくつかの問題点も伴います。エンジンから供給される電力が燃費に影響を及ぼすことや、点灯消し忘れによるバッテリー上がりのリスク、長時間の点灯によってバルブの寿命が短くなることなどが挙げられます。また、昼間点灯が一般的な場合、特にオートバイや小型車のような相対的に目立たない車両が視認性を失うとの意見もあるため、これがさらなる交通事故の原因となる可能性も否定できません。

結論

昼間点灯は、交通安全を向上させる施策として重要な役割を果たしていますが、その実施には課題も存在しています。特に、自動車やオートバイにおける点灯の義務化や、日中の視認性を高めるための施策の導入は、今後も継続して模索が必要です。自動車業界、鉄道事業者が一体となり、安全運転への意識を高め、交通事故を減少させるための取り組みが求められます。

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