時よ燃えて!

テレビドラマ『時よ燃えて!』の概要

『時よ燃えて!』は、1979年1月13日から3月31日までフジテレビ系の『土曜劇場』枠で放送された全11回のテレビドラマです。アーサー・ヘイリーの小説『ホテル』を基にしており、日本の名門ホテルの裏側を描いた作品となっています。

ストーリー背景

物語は、経営危機に直面し、買収の危惧を抱える「ホテル・セントラル」を舞台に展開します。このホテルは社長の島田洋輔が理想を掲げ運営しているものの、経営の厳しさから副総支配人やベテラン従業員たちが大手の帝都ホテルに次々と引き抜かれ、その存続が危うい状況です。そんな折、過去に苦しみを抱える菊地俊治がホテルに就職を希望して訪れます。

菊地は、社長のホテルに対する情熱に感銘を受け、持ち前の行動力や正義感を駆使して、帝都ホテルによる買収計画からホテル・セントラルを守るために立ち上がります。彼の勇気ある活動は、経営再建だけでなく、さまざまな人間関係にも影響を及ぼすこととなります。

多様な愛の物語

このドラマは、菊地と平野和美との間に芽生える愛、和美と時田との微妙な関係、さらには、小島伸子と荒谷一平の過去の愛の影、そして荒谷と川村良子との純朴な恋愛といった、様々な愛の形を丁寧に描写します。これにより、ホテルマンとしての職業遂行と人間同士の感情が交わる、感動的なストーリーが展開されます。

主要キャスト

主役の菊地俊治を演じたのは、加山雄三。その脇を固めるキャストには、社長・島田洋輔役に芦田伸介、社長秘書の小島伸子役に野際陽子、客室係・平野和美役に梶芽衣子、川村良子役に秋野暢子など、多彩なメンバーが揃い、それぞれのキャラクターが物語に色を添えました。特に、彼らの間で交わされる人間ドラマは視聴者を引き込み、情感豊かな演技が印象的でした。

制作背景と主題歌

『時よ燃えて!』は、原作の持つドラマ性を活かしつつ、脚本の石松愛弘、演出の富永卓二が力を入れて制作しました。主題歌『天までとどけ』はさだまさしが手がけ、その歌詞やメロディが作品の雰囲気を一層引き立てています。このドラマは、次年度に放送される同じ主演による『時よ炎のごとく!』と合わせて『時よシリーズ』として親しまれることとなります。

『時よ燃えて!』は単なるホテルの経営物語ではなく、人々が愛し合いながら困難に立ち向かう姿を描いています。それにより、視聴者に深い感動を与える作品となっているのです。

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