時忠 (小惑星)

小惑星時忠（4488 Tokitada）



小惑星時忠は、1987年に愛知県豊田市で鈴木憲蔵氏と浦田武氏によって発見されました。この小惑星は、太陽系の小惑星帯に位置しており、その名称は平安時代末期の公卿である平時忠（1130年 - 1189年）の名に由来しています。時忠は、特に平家一門の栄華において「平家にあらずんば人にあらず」との発言が広く知られています。

時忠は、壇ノ浦の戦いの際に捕えられ、能登国に配流されてそこで亡くなりました。彼の名がついた小惑星の命名文は小惑星回報（MPC）に記載されており、その中で平清盛の兄（uncle）とされている表現がありますが、これは時忠が平清盛の義弟（平時子の弟）であることから誤りです。実際には、時忠は堂上平氏という公卿の家系に属し、天皇家の外戚という政治的な背景を持っていました。

浦田武氏は小惑星の名称に、平安時代末期に『平家物語』に登場する人物の名前を多く使用しています。小惑星時忠に関連する他の小惑星には以下のようなものがあります：
  • - (4959) 二位尼：時忠の姉、平時子。
  • - (4375) 清盛：義兄で、平清盛。
  • - (3585) 後白河：後白河法皇。彼は時忠の妹である平滋子（建春門院）を妃としています。
  • - (5578) Takakura：甥で、後白河法皇と建春門院の子、高倉天皇。
  • - (5242) 建礼門院：時忠の姪で、清盛と時子の娘、平徳子。彼女は高倉天皇の妃となりました。
  • - (3686) 安徳：高倉天皇と建礼門院の子である安徳天皇。
  • - (3178) 義経：時忠の娘婿である源義経。平家が滅亡した後、時忠の娘を嫁がせました。

平時忠の名前を冠した小惑星時忠は、彼の歴史的な影響力を広く伝える役割を果たしています。小惑星は宇宙の特徴的な存在でありながら、人間の歴史や文化と関連づけられることが多いのが魅力の一つです。小惑星時忠もこのように、多くの歴史的な文脈を内包した天体であると言えるでしょう。

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