時空脱獄NINJA ジライヤ

『時空脱獄NINJA ジライヤ』

2014年に製作された日本のSF忍者アクション映画です。大木ミノルが監督・脚本を務め、未来から現代へ時間移動してきた忍者の戦いを描いています。制作は、WHDジャパンの映像部門であるAMIエンターティメントが担当しました。

作品の成り立ちと評価

本作は当初、10分間のパイロット版として企画・製作された後、追加撮影を行い60分の『時空脱獄NINJA ジライヤ』として完成し、伊賀の國忍者映画祭に出品されました。

この作品は2014年8月、伊賀の國忍者映画祭で審査特別賞を受賞したほか、映画少年短編映画際では技術賞も獲得するなど、複数の映画祭でその質が高く評価されました。

さらに、単館での劇場公開を見据え、2014年10月には約11分間の新規映像を加えた『時空脱獄NINJA ジライヤ 完全版』が製作されました。この完全版は、同年11月3日に開催された十津川村文化祭に招待作品として出品され、初めて一般公開されています。

特徴

本作は忍者映画というジャンルに分類されながらも、物語の舞台を現代に設定し、SFアクションとしての要素を色濃く打ち出している点が大きな特徴です。大木ミノル監督が率いるAMIエンターティメントは、ストップモーションアニメーションや3DCGといった最新の映像技術を積極的に取り入れ、従来の自主制作映画にはない独自のビジュアルスタイルで注目を集めました。

あらすじ

物語は、未来から突如として現代へとタイムワープしてきた謎の忍者、ジライヤが、偶然出会った暴力団の闇金業者グループを瞬く間に殺害するという衝撃的な出来事から幕を開けます。この事件とほぼ同時刻、ジライヤを抹殺することを任務とする追手であるサスケ、キリガクレ、そしてジライヤと因縁浅からぬ宿敵であるオロチもまた、同じように現代へと送り込まれてきます。

舞台は2014年8月の大阪。この現代都市を舞台に、暴力団の抗争と未来から来た忍者たちの激しい戦いが交錯し、壮絶な攻防が繰り広げられます。なぜ彼らがこの時代に集結したのか。その理由は、ジライヤ自身の秘められた過去に隠されていることが示唆されます。

未来からの追跡者たちに追われるジライヤは、自身の過去と向き合いながら、現代社会での戦いを切り抜けていくことを余儀なくされます。そして、宿敵オロチは、ジライヤを完全に葬るために、恐るべき破壊力を持つ最終兵器をすでに完成させていたのでした。物語は、ジライヤとオロチ、そして様々な思惑が絡み合うキャラクターたちの間で繰り広げられる、スリリングな展開を描いていきます。

主なキャスト

ジライヤ：夏守陽平
オロチ：徳丸新作
マサ（暴力団員）：河本政則
イチ（暴力団員）：沖一文字
セイジ（暴力団員）：吉永成吾
真田組長：海道力也
サイゾウ：伊冴美緋彩
サスケ：Shin
* ヒロイン（完全版に登場）：亥戸碧

未来と現代、そして忍者の因縁が交錯する独特の世界観と、先進的な映像技術によって創出されたビジュアルが評価された、意欲的なSFアクション作品と言えるでしょう。

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