大木ミノル

大木 ミノル（おおき ミノル）

1967年12月27日、大阪府西淀川区に生まれた大木ミノルは、日本の映画監督、脚本家、そして映画プロデューサーとして多岐にわたる活動を展開しています。日本アカデミー賞最優秀照明賞を受賞した中岡源権を伯父に持ち、その影響もあってか、映像の世界に深く関わることになります。

人物とキャリア

若い頃に広告業界で培った経験は、大木氏のクリエイティブワークの礎となっています。撮影、デザイン、コンピューター技術といった幅広い分野に精通しており、特にVFX（視覚効果）においてはその手腕が高く評価されています。高度なCG技術を自在に操る能力に加え、独自の技術開発を進めることで、本来であれば数千万円規模の費用がかかる特殊効果を、百万円単位という驚異的な低コストで実現することを可能にしました。このコスト効率の高さは、多くの映画関係者から注目を集めています。

手掛ける作品のジャンルは幅広く、迫力あるSFアクションから繊細な人間ドラマを描く文芸作品まで多岐にわたります。その探求心は非常に旺盛で、例えばイギリスの探偵シャーロック・ホームズに関する研究は、時に熱心なファンをも凌駕するほどです。この深い造詣は舞台脚本という形で結実し、シャーロック・ホームズシリーズの功績が認められ、第43回日本シャーロック・ホームズ大賞の奨励賞を受賞しています。

来歴と主な活動

大木氏のキャリアは、2001年に大手企業での課長代理職を辞したことから本格的に始まります。その後、2008年には自身の映像制作会社であるAMIエンターティメントを設立。有限会社フォワードと連携し、レンタルビデオ向けのオリジナル・ビデオを毎年一本以上制作する契約を結びました。2011年からは、大阪にあるミニシアター「シアターセブン」にて定期的な映画イベントを開催し、観客との交流の場を設けています。

監督・脚本・VFXを担当した短編映画『時空脱獄NINJA ジライヤ』は、国内外で高い評価を得ました。2014年には第一回映画少年短編映画祭で技術賞を、同じく第一回伊賀の國忍者映画祭で審査員特別賞を受賞。さらに2015年にはバリ島日本芸能芸術アカデミーにて文化交流貢献賞に輝き、これを機にバリ島で「NINJAの日」が設立されるなど、国際的な広がりを見せました。また、バリ島の孤児院Yappenatimからは感謝状が贈られています。

舞台作品においては、特にシャーロック・ホームズシリーズの脚本・映像監督として多数の作品を手掛け、その貢献が2021年の日本シャーロック・ホームズ大賞奨励賞受賞に繋がりました。

後進の育成にも力を入れており、2022年には大木ムービー・アカデミーを任意団体として正式に発足させ、若い映画人のための実践的な学びの場を提供しています。

主な作品リスト

多作な大木ミノル氏は、様々な立場で数多くの映像・舞台作品に携わっています。

長編映画

『サイコ・イコール』（2009年）CG製作担当
『怪異伝承 鬼殻村』（2009年）CG製作担当
『腐女子 - A Wife And The Child Are Corrupt』（2009年）脚本担当
『心霊音THE MOVIE』（2010年）CG製作担当
『サンズ SUN OF THE DEAD』（2011年）CG製作担当
『大阪最後の日』（2013年）監督担当
『恋の映画を作ろう』（2014年）監督・脚本担当
『時空脱獄NINJA ジライヤ』（2014年）監督・脚本・VFX担当
『力-TAROU』（2017年）監督・脚本・VFX担当
『レッドブレイド』(2018年)VFX担当
『SUPER APARTMENT WIFE』（2020年）製作総指揮
『不檄~男たちの生きた証~』（2022年）撮影
『妖怪剣客』（2023年）監督・脚本担当

短編映画（一部）

『死神おじさん』（最寄りの怪談・シリーズ）（2012年）脚本
『恐怖映像』（最寄りの怪談・シリーズ）（2012年）脚本
『大阪最後の日』（大阪最後の日・シリーズ）（2013年）
『時空脱獄NINJA』（2014年）監督・脚本・VFX
『妖怪剣客 』（2015年）監督・脚本
『なっちゃんの朝 』（2017年）撮影＆VFX

舞台（一部）

『隠密剣客』（2014年）映像監督
『今宵も映画館より愛をこめて』(2019年)　映像監督
『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズ（2019年-2022年）脚本・映像監督
『魚津物語』(2022年)　脚本・映像監督

その他

ミュージックビデオ、CM、公共事業PV、TV番組の演出・企画なども手掛けています。
ホラー系映像作品の監修も多数務めています。
自身の名を冠した怪談オーディオブックシリーズや、ラジオ・ネット配信番組にも出演しています。

多角的な才能と実践的な技術を併せ持つ大木ミノル氏は、日本のインディーズ映画界を中心に、精力的な活動を続けています。若手育成への取り組みも含め、今後のさらなる活躍が期待されるクリエイターです。

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