普遍主義

普遍主義とは

普遍主義（universalism）とは、個々の具体的な事物や、それぞれが持つ特殊性よりも、全てのもの、または多くのものに共通する普遍的な性質や側面を重視する考え方です。これは、個別の存在は全体との関係性の中で意味を持つとする立場でもあります。

普遍主義の基本的な考え方

普遍主義の根底にあるのは、個別のものよりも、全体的なもの、共通するものに価値を置くという思想です。例えば、個々の人間よりも人類全体を、特定の文化よりも普遍的な文化を、特定の宗教よりも普遍的な宗教を重視します。この考え方では、個別の存在は全体の一部として捉えられ、全体との関係性の中でその意味や価値が決定されると考えられます。

歴史的背景

普遍主義の概念は、中世ヨーロッパのキリスト教カトリックにおける普遍論争にその起源を見ることができます。この論争は、普遍的な概念（例えば「人間性」）が、個々の具体的な存在（例えば特定の人々）に先行して存在すると考えるか、それとも個々の存在の後に概念が形成されると考えるかというものでした。

現代における普遍主義

現代においては、普遍主義は政治や外交の分野でも用いられることがあります。例えば、国際的な協力や人権の尊重といった普遍的な価値を重視する立場は、普遍主義的な考え方に基づいていると言えるでしょう。特にロシアでは、自国の外交政策を正当化する際に、普遍主義的な考え方が用いられることがあります。

普遍主義と対立する概念

普遍主義と対立する概念としては、個体主義や個人主義が挙げられます。個体主義は、個々の存在がそれぞれ独自の価値を持つと考え、全体との関係性よりも個々の自律性を重視します。個人主義は、個人の自由や権利を尊重し、個人の利益を優先する考え方です。これらの考え方は、普遍主義とは異なる価値観に基づいています。

関連概念

普遍論争: 中世ヨーロッパにおける、普遍的な概念と個々の存在の関係についての哲学的な論争。
全称命題: 論理学における、すべてのものについて成り立つと主張する命題。
* ユニテリアン・ユニヴァーサリズム: キリスト教から派生した、ユニテリアン主義と普遍主義を統合した団体。

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