暁烏敏

暁烏 敏について

暁烏 敏（あけがらす はや、1877年7月12日生まれ - 1954年8月27日没）は日本の真宗大谷派の僧侶であり、宗教家として広く知られています。彼の院号は「香草院」、法名は「釈彰敏」とされ、愛称は「念仏総長」です。真宗大学に在籍中から俳句を作り始め、高浜虚子に師事したことで、詩や俳句においても多くの作品を残しました。彼は加賀地方の著名な宗教家たちと共に「加賀の三羽烏」と称され、その名声を不動のものとしました。

経歴

暁烏敏は1877年、石川県の白山市に生まれました。父の暁烏依念は説教使として知られ、母の千代野はその夫を支え、敏の教育に力を注ぎました。父は急逝し、彼は幼い頃から宗教と家族の中で育てられました。その後、松任高等小学校を卒業し、金沢の共立尋常中学校に進学しましたが、英語のテストをボイコットし、退学を余儀なくされました。それでも彼は京都の大谷尋常中学校に編入し、以後は真宗大学に入学、清沢の宗門革新運動にも関与しました。

敏の人生は、彼の研究と信仰の過程を共に歩んでおり、1897年には『歎異抄』に出会い、1899年には清沢満之と出会うことで新たな影響を受けました。彼は佐々木月樵、多田鼎と共に浩々洞を設立し、自らの教えを広める活動を始めました。1900年には真宗大学を卒業し、その後も様々な学びの場を求めて移動しますが、最終的には東京外国語学校の露語別科に入学しますが中退します。

彼のキャリアは次第に多彩を極め、特に1903年から続いた「『歎異抄』を読む」という連載は、8年間にわたり55回にわたって掲載され、その内容は後に『歎異抄講話』として編集されました。この時期、彼は『精神界』の発刊を発案し、編集に関わることで、自らの思想を確立する道を歩んでいきました。

しかし、彼の宗教的な活動はしばしば異端と見なされることもあり、1911年には異安心とされました。1914年には再婚し、その後自坊の明達寺に戻ったことで、広く信者を増やしました。彼の講演や筆致は多くの人々に影響を与え、彼のカリスマ性によって多くの支持を得るようになります。

重要な出来事

1927年にはインドや欧州を訪れ、日本の精神についての提唱へと繋がる旅をしました。また、彼は1940年代には日本の仏教における理念について考察し続け、特に戦争や国体に関する批評に取り組んでいました。1951年には真宗大谷派の宗務総長に任命され、宗派の財政を回復させる貢献を果たしました。これらの活動は、彼の教えや宗教観が如何に時代を超えたものであったかを物語っています。

著書

暁烏敏は著書も多く残しており、代表作には『吾人の宗教』『心霊夜話』『求道録』『死の問題』などがあります。また、彼の思想は彼の死後も影響を与え続け、多くの伝記や解説書が出版されました。
彼の生涯と業績は、日本の宗教界において重要な位置を占めており、その影響は現代にも色濃く残っています。彼の教えを受け継ぐ者たちが多数存在し、今なおその考え方や信仰は広がり続けています。

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