暗闇五段

暗闇五段（くらやみごだん）

『暗闇五段』は、寺田ヒロオによる日本の漫画であり、これを基にしたテレビ映画である。本作は、1963年から1964年にかけて小学館の週刊少年サンデーに連載され、続いて1965年から1966年にかけてテレビ放送された。特に戦う男の姿を描いた物語として、多くのファンに愛され続けている。

あらすじ

物語は、柔道界で未来を期待されていた倉見達也が主人公である。彼は同じく柔道家の熊手の陰謀によって、谷川に落とされてしまい、最終的には失明と記憶喪失に陥る。倉見は自らの柔道技術を頼りに、武者修行の旅に出ることを決意する。彼は新たな道を切り開くため、孤独な修行を積み重ね、いつの間にか「暗闇五段」と称されるようになる。

テレビ映画

テレビ版『暗闇五段』は千葉真一が主役を務め、1965年から1966年までNETテレビで放送された。全26話が放送され、モノクロの映像で展開された。倉見の失明の原因はオリジナルの物語から変更され、火災から子供を救おうとした際に目に炎が直撃したとして描かれている。最終話では屋上からヘリコプターに飛び移るスタントが行われ、これは後に千葉が出演する他の作品でも見られるアクションとなった。

この作品は、東映プロデューサーの山田正久によって、「空手三四郎」や「アタック拳」と並ぶスポーツアクション三部作と位置づけられている。主題歌も制作され、千葉自身が歌い上げる「くらやみ五段の唄」や「瞼のうた」などが番組を盛り上げた。さらに、歌手の小林幸子も当時は子役として出演しており、小さな役割ながらも存在感を示していた。

現状と保存

『暗闇五段』のポジフィルムについては、東映が第1話の現存を確認しているが、第2話以降は行方不明となっている。現在、第1話は東映チャンネルで視聴できる。過去の作品が数多く存在する中、この作品のDVDやブルーレイは未だに発売されていないが、主題歌入りのオープニングは一部収録されたメディアが存在する。

キャスト

この作品には、主役の千葉真一をはじめとする多くの魅力的なキャストが揃っている。主要キャストには、
・倉見達也役：千葉真一
・三平役：小瀬朗
・小百合役：佐々圭子
・マツゲ役：小林幸子
・黒ひげ刑事役：高木久芳
・雅男役：湊雅行
と、多岐にわたる役者が参加している。

監督は松島稔と奥中惇夫が務め、美術には河村寅次郎、音楽には青木暢男が関与している。これにより、作品全体のクオリティが高められ、視聴者の心をつかむ要素が増強された。

まとめ

『暗闇五段』は、失ったものを再び見つけることで成長する人間ドラマを描いた作品であり、柔道を通じた自己発見の物語として、多くの視聴者に感動を与えた。これからもそのストーリーは多くの人々に語り継がれていくことであろう。

もう一度検索