暗黒エネルギー宇宙望遠鏡

暗黒エネルギー宇宙[[望遠鏡]]「デスティニー」

暗黒エネルギー宇宙[[望遠鏡]]（Dark Energy Space Telescope）、通称「デスティニー」は、アメリカ航空宇宙局（NASA）とアメリカ合衆国エネルギー省（DOE）が共同で計画している宇宙[[望遠鏡]]です。このプロジェクトの最大の目的は、宇宙の膨張を加速させていると考えられている謎のエネルギー「暗黒エネルギー」の性質を解明することです。

観測目標

デスティニーは、3年間のミッションを通して、以下の2つの主要な観測目標を達成することを目指しています。

1. 遠距離超新星爆発の観測：3000個以上の遠距離超新星爆発を観測し、それらの距離と赤方偏移を精密に測定することで、宇宙の膨張率を詳細に把握します。超新星爆発は、宇宙の距離を測るための「標準光源」として利用され、宇宙の膨張の歴史を明らかにする上で重要な役割を果たします。
2. 銀河の重力レンズ効果の観測：数百万個の銀河の弱い重力レンズ効果を観測することで、宇宙の物質分布を調べます。重力レンズ効果とは、重力によって光が曲げられる現象であり、銀河の分布や暗黒物質の存在を間接的に知る手がかりとなります。これらの観測データから、宇宙の大規模構造の形成過程を解明することを目指します。

望遠鏡の設計

デスティニーは、主鏡径1.65メートルの光学望遠鏡を搭載しており、赤外線画像は固体検出器アレイで検出されます。この望遠鏡は、太陽-地球系のL2点（ラグランジュ点）を中心とするハロー軌道に投入される予定です。L2点は、太陽と地球の重力が釣り合うため、安定した観測環境が得られるという利点があります。

プロジェクトの進捗

デスティニーの開発は、2006年8月に正式に決定しました。現在、2年間の調査段階を終え、設計と性能を煮詰める開発段階に入っています。打ち上げは2013年を予定しており、予備的な結果は打ち上げ後1年以内に、最終的な結果は2017年に発表される予定です。

期待される成果

デスティニーの観測によって、暗黒エネルギーの性質に関する重要な情報が得られると期待されています。暗黒エネルギーは、宇宙全体の約70%を占めると推定されており、宇宙の運命を決定づける最も重要な要素の一つと考えられています。デスティニーが提供するデータは、暗黒エネルギーの正体を解き明かすだけでなく、宇宙の構造と進化に関する理解を深める上で、大きな貢献を果たすでしょう。

関連プロジェクト

デスティニーは、NASAの「ビヨンド・アインシュタイン・プログラム」の一環として計画されています。このプログラムは、アインシュタインの一般相対性理論を超える新しい物理学を探求することを目的としています。

外部リンク

• - Destiny project website（英語）

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