暦 (映像作品)

イエスのビデオクリップ集『暦（Greatest Video Hits）』は、プログレッシブロックの巨匠イエスの輝かしい軌跡を映像で辿る貴重な作品です。1977年のアルバム『究極』から1987年の『ビッグ・ジェネレイター』まで、彼らの音楽史を彩るシングル曲を中心に収録されています。

収録されているのは、「不思議なお話を」「クジラに愛を」「マドリガル」「光陰矢の如し」「レンズの中へ」「ホールド・オン」「リーヴ・イット」「イット・キャン・ハプン」「ロンリー・ハート」「リズム・オブ・ラヴ」「ラヴ・ウィル・フインド・ア・ウェイ」といった名曲の数々。さらに、『9012ライブ』から「アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル」も収録されており、全12曲のビデオクリップを楽しむことができます。

このビデオクリップ集の魅力は、単に楽曲を映像化しただけでなく、各曲の前にメンバー自身によるコメントが収録されている点です。シングルカットの経緯や楽曲に込められた想いなど、貴重な証言を通して、イエスの音楽世界をより深く理解することができます。

『暦』は、1991年にレーザーディスクとビデオテープで初めてリリースされ、その後2002年にDVD化されました。そして2006年には、音声が5.1chにリミックスされ、ロジャー・ディーンによる新たなパッケージデザインが施された「イエス 暦 (5.1ヴァージョン)」として再リリース。これにより、映像と音響の両面でクオリティが向上し、より臨場感あふれる体験が可能になりました。

初期のレーザーディスク盤には字幕がありませんでしたが、2006年リリースのDVD盤では英語、ポルトガル語、日本語の字幕が収録され、より幅広い層のファンが楽しめるようになりました。字幕は任意で選択できるため、楽曲を聴きながら歌詞を追ったり、メンバーのコメントを理解したりするのに役立ちます。

また、「ロンリー・ハート」のビデオクリップには、一瞬だけエディ・ジョブソンが映っているという、ファンにとっては見逃せないポイントも存在します。

『暦』は、イエスの音楽的進化と、時代の変化に対応しながら常に新しい表現を追求する姿勢を映し出した作品と言えるでしょう。彼らの音楽を愛するすべての人にとって、必携のアイテムです。

ワーナーミュージック・ジャパンから発売されたこの作品は、イエスの音楽を聴き続けてきたファンはもちろん、これから彼らの音楽に触れる人々にとっても、格好の入門編となるでしょう。映像と音楽、そしてメンバーの貴重なコメントを通して、イエスの魅力を存分に堪能してください。

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