最後の一本

美空ひばり『最後の一本』

『最後の一本』は、昭和を代表する歌手、美空ひばりが1979年1月1日にリリースしたシングルです。このシングルは、A面とB面で異なる魅力を持つ楽曲が収録されており、ひばりの豊かな表現力を堪能できる一枚となっています。

A面：『最後の一本』

A面を飾る『最後の一本』は、1975年に発売されたアルバム『ひとりぼっち〜歌は我が命 第9集』に収録されていた楽曲をシングルカットしたものです。この曲は、ひばりの情感あふれる歌声が、聴く人の心を深く揺さぶります。作詞は山口洋子、作曲は猪俣公章が担当し、編曲は佐々永治が手がけています。1986年には、美空ひばりの芸能生活40周年を記念した公演『'86歌声はひばりと共に』でも披露され、多くのファンを魅了しました。

B面：『俺達の歌今どこに』

一方、B面には『俺達の歌今どこに』が収録されています。この曲は、異色のアンサーソングとして企画されたもので、1972年に小沢昭一が発表した『俺達おじさんには』への応答として制作されました。企画したのは、当時コロムビア邦楽企画室でひばりの担当ディレクターを務めていた森啓です。作詞は横井弘、作曲は船村徹、編曲は栗田俊夫が担当しました。

1988年の東京ドーム公演『不死鳥 美空ひばり in TOKYO DOME 〜翔ぶ!! 新しき空に向って〜』では、ひばり自身の提案により、この曲が披露されました。『真赤な太陽』の後に1コーラスのみ歌われ、次の曲『ひばりの渡り鳥だよ』へと繋ぐという演出は、観客に深い感動を与えました。ひばりの記憶力と演出へのこだわりが伺えるエピソードです。

収録曲

1. 最後の一本
作詞：山口洋子
作曲：猪俣公章
編曲：佐々永治
2. 俺達の歌今どこに
作詞：横井弘
作曲：船村徹
編曲：栗田俊夫

アルバム「ひとりぼっち〜歌は我が命 第9集」収録曲（1975年5月25日発売）

このアルバムには、シングルカットされた「最後の一本」以外にも、以下のような多彩な楽曲が収録されています。

ひとりぼっち
渚の足跡
ある日、秋の夜
海沿いの駅
波止場情話
真珠の涙
霧の別れ
紺がすりの女
泣き笑い人生
隅田月夜
* さようなら

これらの楽曲からも、美空ひばりの幅広い音楽性と表現力を感じることができます。

まとめ

『最後の一本』は、美空ひばりの歌唱力と表現力が際立つ、時代を超えて愛される名曲です。A面、B面ともに聴きごたえがあり、ひばりの魅力を余すところなく伝えています。1979年のリリースから今日に至るまで、多くの人々に感動を与え続けている、まさに不朽の名作と言えるでしょう。

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