最相葉月

最相葉月（さいしょう はづき）

1963年11月26日生まれの日本のノンフィクション作家、編集者。
東京都で生まれ、神戸市で育ちました。関西学院大学法学部法律学科を卒業後、広告代理店、出版社勤務を経て、フリーの編集者兼ライターとして独立。科学技術と人間の関係、スポーツ、教育、音楽など、幅広い分野をテーマに執筆活動を展開しています。

来歴と人物

最相葉月は、大学卒業後、広告代理店でラジオ・テレビ担当の営業としてキャリアをスタートさせました。その後、学術系出版社やPR誌編集事務所での勤務を経て、フリーランスの編集者兼ライターとして活動を始めました。

彼女の執筆活動は、科学技術と人間の関わり、スポーツ、教育、音楽など多岐にわたります。緻密な取材に基づいた深い洞察と、読者に分かりやすく伝える文章力が特徴です。特に、1998年に刊行された『絶対音感』は、第4回小学館ノンフィクション大賞を受賞し、ベストセラーとなりました。また、2007年刊行の『星新一 一〇〇一話をつくった人』は、第34回大佛次郎賞、第29回講談社ノンフィクション賞、第28回日本SF大賞、第61回日本推理作家協会賞（評論その他の部門）、第39回星雲賞ノンフィクション部門を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

編集者としては、『季刊子ども学』（ベネッセ教育研究所）で、子どもの逸脱、消費文化、異文化コミュニケーション、震災などを主なテーマに取り上げています。また、2021年には、北九州市立文学館の「こどもノンフィクション文学賞」で、悠仁親王が佳作を受賞した際の選考委員を務めました。

「最相」という姓は、母親の旧姓を筆名として使用しています。この姓は岡山県に多く見られ、彼女の祖父は台湾総督府の役人を務めていました。また、祖父の父は台湾の高雄で郵便局長をしていたという家系です。

主な著作

最相葉月の著作は、単著、監修・共著、アンソロジーと多岐にわたります。以下に主な作品をまとめます。

単著

『高原永伍、「逃げ」て生きた!　風の人35年間のバンク・オブ・ドリームス』（1994年）
『絶対音感』（1998年）
『なんといふ空』（2001年）
『青いバラ』（2001年）
『あのころの未来　星新一の預言』（2003年）
『最相葉月のさいとび』（2003年）
『東京大学応援部物語』（2003年）
『熱烈応援！スポーツ天国』（2005年）
『いのち　生命科学に言葉はあるか』（2005年）
『星新一　一〇〇一話をつくった人』（2007年）
『ビヨンド・エジソン　12人の博士が見つめる未来』（2009年）
『セラピスト』（2014年）
『最相葉月　仕事の手帳』（2014年）
『調べてみよう、書いてみよう』（2014年）
『れるられる』（2015年）
『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』（2015年）
『東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか』（2015年）
『理系という生き方　東工大講義　生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか』（2018年）
『辛口サイショーの人生案内』（2015年）
『辛口サイショーの人生案内DX』（2021年）
『証し 日本のキリスト者』（2023年）
『中井久夫 人と仕事』（2023年）

監修・共著

『星新一　空想工房へようこそ』（2007年）
『ほしのはじまり　決定版星新一ショートショート』（2007年）
『未来への周遊券』（2010年）
『心のケア――阪神・淡路大震災から東北へ』（2011年）
『特別授業3.11君たちはどう生きるか』（2012年）
『胎児のはなし』（2019年）

アンソロジー

『落葉の坂道　ベスト・エッセイ2002』（2002年）
『わたしの詩歌』（2002年）
『発見』（2004年）
『美女という災難』（2008年）
『超弦領域　年刊日本SF傑作選』（2009年）
『こころに響いた、あのひと言』（2010年）
『本は、これから』（2010年）
『3.11を心に刻んで』（2012年）
『とっさの方言』（2012年）
『続・次の本へ』（2015年）
『ベスト・エッセイ THE BEST ESSAY 2020』（2020年）
『猫はあくびで未来を描く』（2020年）
『ベスト・エッセイ THE BEST ESSAY 2021』（2021年）
『大人になるまでに読みたい15歳のエッセイ②　こころがさわぐ』（2022年）

映像化

「ココニイルコト」（2001年）：自身の著作『なんといふ空』所収の「わが町 大阪」を原案とした映画。

その他

藤子・F・不二雄大全集『みきおとミキオ/バウバウ大臣』（2011年、小学館）：解説を執筆。

外部リンク

最相葉月 Official Site（本人運営）
ライフサイエンス・インフォメーション・ネット　受精卵は人か否か（本人運営）


最相葉月は、その幅広い知識と鋭い視点、そして読みやすい文章で多くの読者を魅了し続けています。彼女の著作は、ノンフィクションの分野において重要な位置を占めており、今後もその活躍が期待されます。

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