北九州市立文学館

北九州市立文学館は、福岡県北九州市小倉北区城内に位置する文学資料館です。2006年11月1日に開館し、初代館長にはノンフィクション作家の佐木隆三氏が就任しました（後に名誉館長）。

概要

北九州地域は、古くから多くの文学者を輩出してきました。特に旧小倉市出身の松本清張は、その功績を称えて記念館が設立されましたが、他の北九州地域出身の文学者たちの資料を常設展示する施設の必要性が議論されていました。その結果、北九州市立中央図書館の向かいに位置する旧北九州市立歴史博物館の建物を活用し、中央図書館との連携を図りながら文学館が設立されることとなりました。

この文学館は、松本清張以外の北九州地域出身者や、ゆかりのある作家たちの資料を集約・展示しています。館内の自分史ギャラリーでは、北九州市自分史文学賞の大賞受賞作品を閲覧できます。また、隣接する中央図書館でも、文学館で紹介されている作家の作品コーナーが充実するなど、連携した取り組みが進められています。

展示されている主な文学者としては、森鷗外、林芙美子、火野葦平、杉田久女などが挙げられます。明治以降の北九州文芸に関する常設展示に加え、様々なテーマの企画展も開催されています。

文学賞の主催にも力を入れており、九州芸術祭文学賞や子どもノンフィクション文学賞を主催するほか、新たな才能の発掘を目指し、2014年には「林芙美子文学賞」を創設しました。

文学賞をめぐる動向

2021年3月、本館が主催した「第12回子どもノンフィクション文学賞」において、悠仁親王の中学生の部での佳作受賞作品がホームページで公開されました。しかし、この作品に関して2022年2月に『週刊新潮』が「盗用疑惑」を報じ、国内外のメディアが大きく取り上げました。海外メディアでは、デイリー・テレグラフが「日本の15歳の王子、盗作問題にもかかわらず文学賞はそのまま授与」、ザ・タイムズが「プリンス悠仁、受賞作の作文のために“ガイドブックを剽窃”」と報じました。

これを受けて、宮内庁は参考文献の記載が不十分であったと発表し、悠仁親王は指摘に感謝していると伝えました。その後、悠仁親王は参考文献や注釈を追記したものを主催者に送付しました。しかし、文学館は募集要項で「応募後の訂正は受け付けない」と明記していたにも関わらず、ネット上で当初の作文を修正後のものに差し替えました。これにより、修正版では脚注が追加され、参考資料が1点から5点に増えました。当時の選考委員は、那須正幹、最相葉月、リリー・フランキーでした。

沿革

2017年には「展示リニューアル基本計画」が策定され、2020年に施工が完了しました。

北九州市立文学館は、地域に根差した文学の拠点として、その役割を担い続けています。

北九州市立文学館公式サイト

北九州市立文学館 - インターネットミュージアム

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