最高裁判所図書館

最高裁判所図書館の概要

最高裁判所図書館（さいこうさいばんしょとしょかん）は、日本の最高裁判所に属する法律専門の図書館です。東京都千代田区隼町に位置し、裁判所法に基づいて設立されたこの図書館は、国立国会図書館の支部としても機能しています。最高裁判所図書館は、全国の裁判所に必要な法的資料を提供することを目的としています。館長は安東章氏が務めています。

沿革

この図書館の起源は、かつて大日本帝国憲法下に存在した大審院の図書室までさかのぼります。日本国憲法下で新たに設立された最高裁判所では、事務局内に図書室が設置されました。1948年、国立国会図書館法の制定により、最高裁判所の図書室は国立国会図書館支部裁判所図書館に改称され、その後、裁判所法の改正によって独立した附属機関としての最高裁判所図書館が発足しました。

図書館の運営は、成立時に制定された最高裁判所図書館委員会規則に基づいて行われています。1974年には新庁舎が完成し、全館開架式になったことで、利用者はよりスムーズに資料にアクセスできるようになりました。また、2006年からは蔵書データをインターネット上で公開し、誰でも蔵書検索が可能となりました。

組織構成

最高裁判所図書館は、最高裁判所の司法行政部門の一部として位置付けられています。その長は最高裁判所図書館長で、裁判所職員の中から選任されます。図書館長は、国立国会図書館の支部館の長でもあり、任命権は国立国会図書館長にあります。組織は総務課と整理課から成り、職員は裁判所事務官から任命されています。また、運営に関する事項は最高裁判所図書館委員会によって調査・審議が行われています。

蔵書とコレクション

最高裁判所図書館の蔵書は、約27万冊に及び、国内外の法律関係の書籍が中心となっています。和書はすべての法律図書を網羅的に収集しており、洋書は判例集や法令集に重点を置いています。ユニークなコレクションとしては、幕末から明治、大正初期の法律書を保存した「明治文庫」や、増島六一郎のコレクション「正求堂文庫」があります。

サービスの提供

最高裁判所図書館は、全国の裁判所に対して図書館サービスを提供している中央図書館としての役割を果たしています。出版された法律に関する論文の書誌情報を含む『最高裁判所図書館邦文法律雑誌記事索引』も発行しています。従来、図書館は裁判所職員や特定の研究者にのみ利用が制限されていましたが、現在は18歳以上の学術研究目的の利用者が事前申し込みを行えば利用可能となっています。一般利用者は閲覧や複写ができるものの、貸出しは行われていません。

所在地とアクセス

東京都千代田区隼町4番2号に位置し、最寄りのアクセスは、東京メトロ永田町駅から徒歩5分、半蔵門駅から徒歩10分、国会議事堂前駅から徒歩15分です。開館時間は平日9時30分から17時までで、利用は事前に申し込みが必要です。休館日は、月曜日、水曜日、土曜日、日曜日、祝日、年末年始などが含まれます。

以上が最高裁判所図書館に関する概要です。日本の司法を支える重要な役割を担っているこの図書館は、今後も多くの人々に利用されることでしょう。

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