會津壹番館

會津壹番館：野口英世ゆかりの喫茶店

會津壹番館は、福島県会津若松市にある歴史的な喫茶店です。明治時代に銀行として建てられた後、野口英世が左手の治療を受けた会陽医院として使用された建物を改修し、当時の面影を残しています。現在は、喫茶店として営業する傍ら、2階には野口英世青春館が併設されており、多くの観光客が訪れるスポットとなっています。

歴史

會津壹番館の建物は、1884年（明治17年）に第六十国立銀行若松支店として建てられました。しかし、銀行はわずか5年で閉鎖。その後、1891年（明治24年）に医師の渡部鼎がこの建物を購入し、会陽医院を開院しました。渡部鼎はアメリカで医学を修めた人物で、当時としては珍しい西洋医学の医師として、会津若松周辺で評判となりました。

1892年（明治25年）、野口清作（後の野口英世）は左手の治療のため会陽医院を訪れました。手術後、1893年（明治26年）には会陽医院に書生として住み込み、医師を目指して3年間を過ごしました。会陽医院では、英語やドイツ語、フランス語などを学び、勉学に励んだと伝えられています。

野口英世が上京した後も、会陽医院は書生を受け入れ続けました。後に医院は移転しましたが、建物はその後も医院として利用され、時代を経て新聞販売店や電気店、オートバイ販売店など、様々な用途で使用されました。

復元と再生

第二次世界大戦後、建物は老朽化が進み、倉庫として利用されていました。その状況に心を痛めた照島敏明という人物が、建物の所有者を説得し、1976年（昭和51年）に喫茶店・會津壹番館を開店しました。照島氏は、建物の外観を復元するために尽力し、1982年（昭和57年）には2階に野口英世青春館を開館しました。

外観の復元には10年もの歳月を費やし、照島氏自身の私財が投じられました。黒漆喰の外壁や瓦屋根など、当時の面影を忠実に再現。内部は、喫茶店や資料館として利用できるよう、間取りの変更や内装の改修が行われました。

現在

會津壹番館は、現在も喫茶店として営業しており、観光客や地元の人々に親しまれています。1階の喫茶店では、野口英世ゆかりの国の豆を使用したコーヒーを味わうことができます。2階の野口英世青春館では、野口英世の生涯や業績に関する資料が展示されており、彼の偉業を偲ぶことができます。

會津壹番館は、野口英世の足跡を辿るだけでなく、明治時代の建築様式を今に伝える貴重な文化遺産でもあります。會津若松市を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

建築様式

會津壹番館の建物は、2階建ての土蔵造りで、銀行として建てられた当時の面影を残しています。外観は黒壁に瓦屋根という落ち着いた雰囲気で、歴史を感じさせます。内部は、喫茶店や資料館として利用できるよう、改装されていますが、階段や梁など、古い建物の特徴も残されています。

館内

• - 1階：喫茶店「會津壹番館」
• - 2階：野口英世青春館

アクセス

• - まちなか周遊バスハイカラさん「野口英世青春館前」バス停下車

周辺情報

會津壹番館の周辺には、野口英世青春通りや会津若松市歴史的景観指定建造物など、観光スポットが点在しています。これらのスポットを巡りながら、会津若松の歴史や文化に触れてみてください。

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