月刊カドカワ

月刊カドカワについて

『月刊カドカワ』は、1983年に角川書店より創刊された文芸・音楽誌で、通称「月カド」とも呼ばれました。A5サイズで提供される本誌は、当初文学的な要素を強く打ち出していましたが、1986年から87年に見城徹が編集長に就任すると、内容は徐々に音楽にシフトしていきました。ここからは、人気のミュージシャンやタレント、漫画家などが多く登場したため、音楽中心の雑誌としての傾向が強化されました。

歴史と変遷

『月刊カドカワ』は数々の著名な作家やアーティストを起用し、特に坂本龍一や尾崎豊との対談記事では、当時の若者文化を反映した内容が話題を呼びました。しかし、1993年に見城が退社し、自ら幻冬舎を設立したことで、同誌の運営に影響を及ぼし、主力の作家たちが多数移籍したことが運営に大きな打撃を与えました。これに伴い、1998年3月号を最後に『月刊カドカワ』は廃刊となりました。

後継誌の発行

次に登場したのが『月刊feature』です。1998年4月からスタートしたこの新しい誌面は、A4サイズの完全な音楽雑誌として位置づけられました。『月刊カドカワ』の後継ではあるものの、内容は大きく異なり、掲載アーティストは若者向けのロックバンドやビジュアル系バンド中心となり、従来のポップス歌手と比べてダイナミックに変化しました。

さらに、1999年には『別冊カドカワ』も刊行され、毎回独自のテーマに基づく特集が行われ、音楽関連のインタビューや対談が中心となりました。特に音楽特集は一冊の構成の大部分を占め、他雑誌にはない貴重な情報源としての役割を果たしました。この掲載スタイルは月刊カドカワの伝統を受け継いでおり、運営元は角川書店から角川グループパブリッシングに変更されています。

影響を与えたクリエイターたち

『月刊カドカワ』には多くの著名な作家や音楽家が連載を持っていました。音楽の分野では、尾崎豊やMr.Childrenの田原健一、斉藤由貴など多彩なアーティストが登場。文学では、村上龍や山田詠美、江國香織らが名を連ねました。また、漫画界でもさくらももこや岡崎京子などが貢献しており、広範なジャンルで活動するクリエイターとの関係を築いていました。

『月刊カドカワ』の廃刊後も、影響力を持った多くのアーティストや作家たちにとって、創造的な土壌を提供したことは確かです。文芸と音楽が交差するこの雑誌は、当時の文化に大きな貢献をしました。

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