月刊コミックラッシュ

月刊コミックラッシュとは

『月刊コミックラッシュ』（COMIC RUSH）は、ジャイブが2004年1月から2011年1月まで発行していた月刊漫画雑誌です。2011年3月号で紙媒体での発行を終了し、同年4月号から2014年4月号までウェブコミック配信サイトおよびスマートフォン向け電子出版として展開されました。

概要

2004年1月、タカラ（現タカラトミー）系列の出版社として設立されたジャイブから創刊されました。掲載作品の単行本はCR COMICSとして毎月7日に発売。2004年～2006年の漫画雑誌創刊ラッシュの先駆けとなりました。

紙媒体の雑誌は2011年1月発売の3月号で終了し、同年3月より有料ウェブコミック配信・電子書籍へ移行。価格は450円で、Windows、Macintosh、iPhone/iPad/iPod touch、Android端末に対応していました。既存の漫画雑誌が紙媒体から有料ウェブコミック・電子書籍へ完全に移行するのは、日本で初めての事例です。

誌面の特徴

創刊当初はメディアミックス作品に力を入れ、アニメやゲームからの漫画化作品が多くを占めていました。『ギャラクシーエンジェル』などのブロッコリー作品や『ラグナロクオンライン』などのガンホー作品といった、キャラクターコンテンツを元にした連載が行われていました。

ジャイブが2006年4月にポプラ社の傘下となると、紙質の向上やポプラ社の『プレコミックブンブン』との共同連載などの変化が見られました。一時減少したメディアミックス作品は2009年頃から再び増加し、オリジナル連載のメディアミックスにも力を入れています。

集英社・スーパーダッシュ文庫のライトノベルを原作とする漫画も多く掲載されていましたが、『ジャンプスクエア』創刊（2007年11月）前後から掲載されなくなりました。

少年誌のため、掲載作品には原則として漢字にルビが振られています。ただし、『グイン・サーガ』のみルビが振られていませんでした。

2006年8月号から2009年4月号までオリジナルイラストの下敷きが、2009年5月号から2011年1月号まではカレンダー付きピンナップが付録となっていました。

2012年7月号以降は連載が2作品のみとなり、2014年4月号で看板作品『ゴッドバード』が完結。同時に他作品も再開されることなく、全てのサービスが終了しました。終了後の会員ポイントの返金は行われず、当該作品の配信はeBookJapanで継続されました。

主な連載作品

おざなりダンジョンTactics（こやま基夫）
電鬼ノ花嫁（高谷正弘）
DOLLMASTER（藤岡建機）
ブラフマンOVERBOOST（貴島煉瓦、Produced by PLANET）
○○デレ（井上よしひさ）
悪ノ召使（原案：mothy_悪ノP、作画：猫山宮緒）
こぴはん -沙弥と沙遊の大作戦-（原作：百天神社振興会、作画：KEI）
ゴッドバード（原案：東北新社・東映、作画：長谷川裕一）

その他

『コミック デ・ジ・キャラット』などの増刊も発行されていました。また、2005年10月号掲載予定だった武田ゆういちの読み切り作品は、作者の急逝により掲載中止となりました。「ラッシュキャラクターセレクション」の下敷き第1弾を担当した堀部秀郎は、雑誌発売直前に急逝し、この下敷きが遺作となりました。

『月刊コミックラッシュ』は、メディアミックス作品に力を入れ、独自の路線を歩んだ漫画雑誌でした。紙媒体からウェブコミック・電子書籍への移行は、業界に大きな影響を与えました。

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