月刊競輪

月刊競輪とは

月刊競輪（げっかんけいりん）は、JKA（旧日本自転車振興会）が発行していた競輪に特化した情報誌です。この雑誌は1955年に『競輪ファン』として創刊され、そこから発展を遂げました。しかし、その当初は不定期発行だったため、情報の迅速性には欠けていました。これを改善するために、1976年に月刊誌としての発行を開始しました。

発行形態と販売方法

月刊競輪は、定期購読前払い金制による郵送販売が主体であり、書店では購入できませんでした。そのため、1980年代の特別競輪の決勝戦中継では、当誌の宣伝が必ず行われるなど、PR活動にも力を入れていました。多くの競輪ファンにとって、特別な情報源と位置付けられていました。

内容と特徴

この雑誌の特徴は、特に年間記録集が毎年2月号に掲載されることです。これに加え、特別競輪などの歴代記録集も充実していました。他の競輪関連の週刊誌やかつて存在した『月刊競輪ダービー』とは異なり、月刊競輪は予想に留まらず、競輪に関する展望、詳細な分析、コラムといった多角的な視点を提供していました。

当誌には、かつて樋口忠正や白川道、馬場雅夫といった著名人による連載コラムがあり、特定の寄稿者が執筆する特集記事も多く目にすることができました。また、デイリースポーツの競輪担当記者であった井上和巳が「井川知久」というペンネームで寄稿していた特集もありました。

衰退の背景

しかし、1995年に白夜書房から競輪専門の雑誌『けいりんマガジン』が創刊されると、環境が変わり始めました。当時、この雑誌には1万1千人を超える有料購読者がいましたが、わずか2年後には1万人を下回るなど、購読者数は著しく減少しました。さらには1990年代後期から、インターネットによる競輪情報サービスの普及、「KEIRINデータプラザ」が開始され、情報が瞬時に手に入る環境が整ったことで、月刊競輪の役割は急速に低下しました。

休刊決定とその後の取り組み

月刊競輪は、2012年に入ってからも購読者数が減少の一途を辿り、当年7月時点では1600人にまで落ち込んでしまいました。JKAはこの状況を受け、「インターネットの普及により、迅速な情報提供を求める声が増え、雑誌の役割が衰退している」と分析し、2012年10月号（通算437号）をもって休刊することを決定しました。

休刊後、JKAは競輪情報提供に努めるべく、KEIRIN.JPで『月刊競輪』の情報を適切に整理し、選手の競走得点一覧や年間記録集を新たに提供するシステムに移行しました。これにより、月刊競輪の情報が必要なファンに引き続きアクセスできるよう配慮されています。

参考文献

「月刊競輪」の休刊について - KEIRIN.JP 2012年6月29日付

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