有川貞広

有川 貞広

有川 貞広（ありかわ さだひろ）は、日本の実業家です。鹿児島県の出身。

リコーグループを中心に国内外で要職を歴任し、特にリコーリース株式会社においては代表取締役社長・CEOとしてその経営手腕を発揮し、会社の成長に大きく貢献しました。

来歴

鹿児島県立鶴丸高校を卒業後、1971年に鹿児島大学法文学部を修了。同年、株式会社リコーに入社しました。

リコーでのキャリアを通じて、グローバルおよび国内の要職を経験しました。1994年には、中国の上海理光伝真機有限公司で副総経理を務め、国際的なビジネス経験を積みました。帰国後、地域事業会社の経営に携わり、1998年には静岡リコー株式会社の代表取締役社長に就任。2001年にはリコー九州株式会社の代表取締役社長として、それぞれの地域における事業拡大と経営基盤の強化に努めました。

2003年には、コカ・コーラウエストジャパン株式会社の社外取締役に就任し、異業種の視点から経営への提言を行いました。その後、2004年には株式会社リコーの執行役員に就任し、グループ全体の経営に携わることになります。

リコーリース時代と業績

2009年4月、リコーリース株式会社の常務執行役員に就任。そのわずか2ヶ月後の同年6月には代表取締役社長執行役員に昇格し、翌2010年には代表取締役社長執行役員・CEOを兼任することとなりました。

リコーリースのトップとして指揮を執った期間中、有川氏は目覚ましい業績を達成しました。具体的には、4年連続での増益を記録し、そのうち2年間は過去最高益を連続で更新するという快挙を成し遂げました。また、事業規模を示す取扱高および営業資産残高においても、就任期間中に過去最高値を記録しました。これらの実績は、厳しい経済環境下においても、同社の収益力と事業基盤が着実に強化されたことを示しています。

経営手腕は財務面に留まらず、企業の社会的責任（CSR）や環境経営においても高い評価を得ました。日経環境経営度調査やCSR企業ランキングといった外部からの評価で上位にランクインするなど、持続可能な経営を目指す姿勢も明確に打ち出しました。

株主への還元にも積極的に取り組みました。配当を毎年着実に増やし続け、結果として18期連続での増配を実現しました。これは、長期にわたり株主価値向上を追求した経営姿勢の表れであり、多くの株主からの信頼を得ることに繋がりました。

顕著な業績を積み上げた後、2014年に代表取締役社長・CEOを勇退しました。長年にわたる実業界での経験と、特にリコーリースにおける経営者としての成功は、有川氏のキャリアにおける重要な足跡として記録されています。

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