有賀夏紀

有賀 夏紀 - 日本のアメリカ社会史の第一人者

有賀夏紀（あるが なつき、1944年7月15日 - 2024年3月7日）は、日本のアメリカ社会史および現代史の著名な研究者であり、その功績は国内外で広く認められています。戦後の学問発展において、日本にアメリカ社会史を紹介する道を切り開いた彼女は、埼玉大学名誉教授としても知られています。

略歴と学問の道

東京都に生まれた有賀は、お茶の水女子大学附属高等学校を経て、1968年にお茶の水女子大学文教育学部を卒業しました。その後、1970年には東京大学の大学院社会学研究科で修士課程を修了。さらに1971年にはカリフォルニア大学バークレー校に留学し、歴史学の修士号を取得しました。1983年には新渡戸フェロー奨学金を得て、再度アメリカへ渡り、スタンフォード大学の大学院博士課程に進学しました。そして1985年に帰国し、1996年にはスタンフォード大学で歴史学の博士号を取得しました。

彼女のキャリアは東京大学教養学部アメリカ分科助手として始まり、その後埼玉大学教養学部にて講師、助教授、教授として在職。2000年には大正大学で客員教授としての役割も担いましたが、2010年に埼玉大学を定年退職し、名誉教授の称号を受けました。

受賞歴と学術的業績

有賀はその研究成果により、多くの賞を受賞しています。1988年には「アメリカ・フェミニズムの社会史」により第8回山川菊栄賞を、1989年には日米友好基金賞を受賞しました。また、2015年度にはアメリカ歴史学会より外国人名誉会員に選ばれ、2019年にはアメリカ芸術科学アカデミーの外国人名誉会員となりました。

主な著書

彼女の著作には『アメリカ・フェミニズムの社会史』（1988年）、『アメリカの20世紀』上・下（2002年）、『アメリカの歴史 - テーマで読む多文化社会の夢と現実』（共編著、2003年）などがあります。これらの著書は、日本におけるアメリカ研究を深める素晴らしい資源となっています。

記事や論文

また、彼女は数多くの論文も発表しており、「ジョン・ウェインが死んでもアメリカ文明は衰退しない」、「文化戦争のなかの9月11日」など、多岐にわたるテーマを扱ってきました。これらの研究はアメリカ文化や社会についての理解を深める貴重な資料となっており、学界での評価を高めています。

影響と legado

有賀夏紀の業績は、アメリカ社会史および現代史の研究分野だけでなく、広く文系教育全体に多大な影響を与えてきました。彼女が築いた学問の基盤は、後の世代の研究者にとって重要な指針となっており、アメリカ研究の重要性や多様性を示す指標となっています。

彼女の逝去は、学術界にとって大きな損失となりましたが、その影響力は今後も多くの研究者に引き継がれていくことでしょう。

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