有限責任監査法人トーマツ

有限責任監査法人トーマツについて

有限責任監査法人トーマツ（Deloitte Touche Tohmatsu LLC）は、日本国内での監査業務を主な業務とし、経営コンサルティングや株式公開支援、ファイナンシャルアドバイザリーサービスなども手がける大手の会計事務所です。トーマツは特に、監査法人としての活動において国内で最大手の位置を占めており、「ビッグ4」と呼ばれる世界的な会計事務所グループの一員としても知られています。

設立の背景

トーマツは、1968年にいくつかの会計事務所が合併して設立されました。その創業の背景には、大蔵省による監査法人の必要性の提言があり、これに基づいて等松農夫蔵と青木大吉が中心となり発足しました。このように、当法人は歴史的にも重要な役割を果たしてきたことがわかります。その後、1990年に国際的な会計事務所デロイトとの提携を果たし、現在の名称に至りました。

業務内容と提供サービス

トーマツの主な業務は以下の通りです：

• - 会計監査：企業の財務諸表の監査を行い、適正性を確認します。
• - IFRSサービス：国際財務報告基準（IFRS）に基づく会計サービスを提供します。
• - 株式公開支援：企業の上場に向けた支援サービスを行います。
• - 年金・知的財産コンサルティング：年金制度の設計や知財の管理・活用についてのサポートを提供します。
• - グローバルサービス：海外展開を支援するサービスです。

トーマツは全国に17の主要事務所を持ち、高崎や長崎などの地方事務所も含め、顧客に広範なサポートを行っています。さらに、アメリカを始め、アジアパシフィックやヨーロッパ、中東を含む広範な海外ネットワークも有しており、約50都市に駐在員を派遣するなど国際展開も推進しています。

主なクライアント

トーマツは多様な業種の企業と取引があり、多くの大手企業が顧客として名前を挙げています。たとえば、自動車メーカーやエネルギー会社、大手食品メーカーなどが挙げられ、特に金融や卸売、小売業界においては圧倒的なシェアを誇ります。これにより、地方では宮城県、四国、九州地域にも強い影響力を持っています。

特徴と市場でのポジション

トーマツは、法人及びクライアントに対する営業力が強い点が特徴です。創業者たちの背景に大日本帝国海軍という影響があるため、強力な営業力を誇っています。また、外資系企業のノウハウを取り入れた運営や、IPO分野での強力な実績も評価されています。ただし、重化学工業ではクライアントが少なく、製造業の主要なクライアントが存在しない点が課題とされています。

経営成績と人員

2024年5月末現在では、8,096名の人員を擁し、3,187社の被監査企業を持つという規模の大きさを示しています。これにより、トーマツは業界内での影響力を高め続けています。

沿革と重要な出来事

トーマツは多くの重要な出来事を経て成長を遂げてきました。特に、2009年には有限責任監査法人としての新しいスタイルでの業務を開始し、その後も国内外でのブランド力を高めています。また、金融庁からの教育研修体制の不備に関する処分や、情報漏洩事件なども経験し、これらの経験を次の成長に繋げている点も見逃せません。

このように、有限責任監査法人トーマツは多角的なサービスを提供しつつ、持続的な成長を目指す信頼性の高い会計事務所として、今後も注目される存在です。

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