有馬洪

有馬 洪（ありま こう）

有馬 洪は、1917年8月22日に生まれ、日本の産業界において薬学研究者および経営者として重要な役割を果たす一方で、サッカー選手としても傑出した才能を示し、日本代表としても活躍した人物です。名前の読みについては、「ひろし」とする資料も存在します。

経歴

その学歴は、1941年3月に東京帝国大学医学部薬学科を卒業したことに始まります。

卒業後、1947年3月には三共株式会社（現在の第一三共株式会社）に入社。以後、同社の発展に深く関わることになります。

三共でのキャリアは多岐にわたり、1969年12月には醗酵研究所の所長に就任し、研究開発部門を率いました。

さらに、1972年5月からは取締役として経営陣に加わり、1978年6月には常務取締役に昇進。同社の要職を歴任しました。

1982年6月からは監査役に就任し、経営の透明性と健全性の確保に貢献。1990年をもって監査役を退任しました。

サッカー選手・指導者として

有馬氏は、薬学や経営の分野だけでなく、サッカーにおいても顕著な実績を残しています。

東京帝国大学在学中は、大学のア式蹴球部に所属。主にチームの守備を支えるハーフバックのポジションでプレーしました。

第二次世界大戦後の混乱期を経て、1949年には東京大学ア式蹴球部の現役選手とOBで構成されたチーム、東大LBの一員として、第29回全日本サッカー選手権大会（現在の天皇杯全日本サッカー選手権大会）で見事優勝を果たしました。

選手としてのキャリアのハイライトは、1951年、33歳という円熟期にサッカー日本代表に選出されたことです。同年3月には、インドのニューデリーで開催された第1回アジア競技大会のサッカー競技に出場。日本代表の試合に全3試合、すべてフルタイムで出場し、国際舞台での日本の戦いを支えました。また、同年末にはスウェーデンの強豪クラブ、ヘルシンボリIFとの親善試合にも出場しています。国際Aマッチ出場数は3試合です。

選手活動と並行して、指導者としても活動しました。1947年から1954年にかけて、母校である東京大学運動会ア式蹴球部の監督を務めました。監督就任2年目の1948年には、チームを関東大学サッカーリーグ戦の優勝に導くなど、指導者としても手腕を発揮しています。

主な所属クラブ（選手）

東京高等師範学校附属中学校
旧制浦和高等学校
東京帝国大学 / 東大LB
三共サッカー部

代表歴（選手）

出場大会：1951年アジア競技大会
国際Aマッチ：3試合出場（1951年）

主な指導歴

* 1947年-1954年：東京大学運動会ア式蹴球部

有馬洪氏は、科学者・経営者としての顔と、トップレベルのサッカー選手・指導者としての顔を併せ持ち、それぞれの分野で重要な足跡を残した稀有な人物として記憶されています。

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