東京大学運動会ア式蹴球部

東京大学運動会ア式蹴球部の歴史と成績

東京大学運動会ア式蹴球部は、東京都文京区に本拠を置く、東京大学に所属するサッカーチームです。一般には「東大サッカー部」として親しまれています。「ア式蹴球」とは、アソシエーション・フットボールの略称で、サッカーを指します。

サッカーの始まりと創設

日本においてサッカーが初めて受容されたのは東京高等師範学校（現在の筑波大学）であり、ここを起点に全国に広まっていきました。多くの卒業生が教育者として各地でサッカーを普及させ、中でも広島県では早くからサッカーが盛んでした。1900年代の初頭には広島の中等学校でも活発な活動が見られました。

その中で登場したのが、広島一中から一高、そして東京帝大へ進学した野津謙です。1918年に東京帝大に入学した彼は、大学内にサッカー部を創設しました。これが東京帝国大学ア式蹴球部の初代です。野津の影響を受け、広島の友人たちもそれぞれの大学でサッカー部を立ち上げました。

初期の活動とリーグ設立

当初、ア式蹴球部は野津のためのチームとしてスタートしました。1921年、彼は極東選手権大会で日本代表に選抜され、これを機に大学間での競争を促進しようと考えました。1922年、彼は早稲田大学や東京高師、東京商科大学と共に日本初のサッカーリーグ「専門学校蹴球リーグ戦」を設立。しかし、このリーグは翌年には中止されました。

野津はリーグ再開に尽力し、1925年からは「ア式蹴球東京コレッヂリーグ（後の関東大学サッカーリーグ戦）」が体系化され再スタートしました。帝大は1926年から1931年の間にこのリーグで6連覇を遂げ、強豪としての地位を確立しました。

全国大会への進出

また、1925年に開催されたア式蹴球全國優勝競技會では、帝大チームとして全国大会の決勝まで進出しましたが、残念ながら鯉城蹴球団に敗れ準優勝となりました。その後1931年には東京帝大LBとしてア式蹴球競技会の決勝で興文中学に勝利し、初優勝を飾ります。

オリンピックと戦後の活動

1936年のベルリンオリンピックには、種田孝一、竹内悌三、高橋豊二が選手として、竹腰重丸がコーチとして選ばれました。戦後1949年の学制改革により、東京大学ア式蹴球部に名称が改められ、同年から京都大学蹴球部との定期戦が始まりました。

2011年には久木田紳吾がファジアーノ岡山FCに入団し、出身選手として初めてのJリーガーとなりました。2017年からは元日本代表の岩政大樹がコーチに就任し、次いで2021年からは柏レイソルや東京ヴェルディで活躍した林陵平が監督としてチームを指揮しています。

主な成績

東京大学運動会ア式蹴球部は、天皇杯全日本サッカー選手権大会で3回の優勝を果たしており、その他にも大学選手権や関東大学サッカーリーグ戦で数々の栄冠を獲得しています。特に、関東大学サッカーリーグ戦では9回の優勝を飾り、強豪校としての実績を誇ります。

関連クラブ

OBチームとして創設された東大LBは、社会人リーグにも参加しており、女子サッカーチームも2014年に加わりました。伝統ある東京大学のサッカー部は、今後もさらなる活躍が期待されます。

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