服部正就

服部正就について

服部正就（はっとり まさなり）は、安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した武将です。通称は半三や源左衛門として知られ、特に父である服部半蔵の名が有名です。服部正就は、父が亡くなった後、21歳で家督を継承し、御先手鉄砲頭としてさまざまな任務に従事しました。彼の母は徳川家康の家臣の娘であり、夫婦は一族の結束を示すために結婚しました。正就自身も、松平定勝の娘と結婚し、家族を持つなど、徳川家との関係を深めていきました。

生涯の概要

正就は、父・服部正成の病死により、家督を継ぎます。家康からの信任を受け、部隊を指揮する立場にありました。関ヶ原の戦いの前後では、上杉景勝に対抗するための防衛戦に従事し、重要な役割を果たしました。しかし、戦の本戦には参加せず、他の武将と共に陣地を守る任務に従事しました。これに関し、彼は防衛戦に必要な武器や兵士の調整を行い、家康からの信任を厚くしました。

伊賀同心との確執

服部家には多くの伊賀者が関与しており、その中に「伊賀同心二百人組」と呼ばれる組織も存在しましたが、これらの者たちは服部家の家来ではありませんでした。彼らは伊賀越えでの経験から、徳川家に仕官を望んでいましたが、服部正成の家格と根拠地について不満を持っていました。このコミュニケーションの不一致が原因で、正就と伊賀同心の間には確執が生まれ、さらには彼らの不満がはっきりと表面化する場面もありました。

蟄居と改易

慶長9年、正就は改易を命じられ蟄居となります。これは、伊賀同心の訴えや、周囲が彼を敵視するような状況を招いたためです。改易後、彼は松平定勝の援助を受けて、掛川の地で静かに暮らすことになります。正就は松平に仕えながらも、常に自らの名誉を取り戻すことを願っていました。

大坂の陣と最期

慶長19年、大坂の陣が始まると正就は軍に参加し、戦功を上げることで自己の名誉の回復を図ります。ところが、彼は戦場で行方不明となり、討死したとされています。彼の死後、遺族は戦死の報告を受け、彼の遺体は発見されることはありませんでした。正就は紀州高野山に葬られますが、その後の供養には多くの謎が残ります。彼の子供たちは松平定勝のもとで養育され、その後も服部家は代々続くこととなりました。

服部家その後

正就の改易や討死は、弟である服部正重による服部家の存続へとつながり、正重は新たに家督を継承しました。服部家は後に桑名藩の家老職として存続し、近世日本における服部家の後裔がどのように発展していったのかは歴史的にも注目されています。正就の子孫たちは、いくつかの藩に仕官し続け、明治時代に至るまでその名を残しました。

評価と遺産

不遇の時期があったものの、正就は多くの戦局において能力を発揮しました。彼の武具や遺された品々は、歴史の中で語り継がれています。また、正就の存在はフィクションにも描かれ、彼の生涯は今なお多くの関心を集めています。正就の人生は、波乱に富みながらも、戦国時代の武士の姿を鮮明に映し出しています。彼の子孫たちが後にどのような歴史を作っていくのか、それは今後の研究課題でもあるでしょう。

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