望月卓也

望月卓也—元プロ野球選手の足跡

望月卓也（もちづき たくや）、1956年5月8日生まれ、広島県豊田郡東野町（現在の大崎上島町）出身の元プロ野球選手です。投手として広島東洋カープやロッテオリオンズなどで活躍し、特にその変則投法と独特のエピソードが注目される存在でした。

高校時代の活躍

竹原高校では、望月は3年生の時にエースとしてチームを牽引し、1974年の夏の広島県大会で決勝に進出しました。相手は当時強豪の盈進高校で、川島日出雄と対戦し奮闘を見せますが、最終的には1対3で敗北。高校生活を通じて甲子園には出場できなかったものの、その実力と存在感は周囲に強い印象を残しました。

プロ入りと投手としての成長

1974年のドラフトで、広島東洋カープから2位指名を受けてプロ入り。同期には高橋慶彦が名を連ねます。入団後、投手コーチの大石清から巨人エース・小林繁の投球フォームを参考にするよう指示を受け、彼独自の変則投法を確立しました。特に右足と左足が交差する瞬間でのモーションの停止により、相手打者のタイミングを崩す戦術を取ります。このフォームにより、彼の長身を活かした速球や多彩な変化球（カーブ、スライダー、シュート、シンカー）を武器として使うようになりました。

望月は主にリリーフ投手として活躍し、1978年オフには金田留広・渡辺秀武とのトレードでロッテオリオンズへ移籍しました。ロッテでもリリーフとしての役割に徹し、1983年に現役を引退しました。

引退後の人生

プロ野球選手を引退した後は、運輸会社に勤務し、管理職として2019年まで職務を全うしました。スポーツ界を離れた後も、望月は様々な人生経験を自分の糧とし、地元に貢献し続けました。

記録とエピソード

彼のキャリアで特筆すべきは、1979年5月12日の試合における不名誉な記録。「1試合7与死球」というこれはプロ野球記録であり、望月はこの試合で3番手投手として登板し、1イニングで3連続死球を記録しました。この3連続死球は日本プロ野球史上初の記録であり、その後、田島慎二（中日）が2014年に同じ記録を更新するまで、35年間この記録は破られることがありませんでした。

さらに、ロッテ時代のチームメイトである愛甲猛が明かしたエピソードが面白いです。彼は初めて望月の隣に座った際、「おい愛甲、両掌をくっつけてから開いてみて」と言われ、何のことか分からないながらその通りにした結果、望月が噛んでいたガムが両手に落ちるという微笑ましいイタズラがありました。このように、彼のキャラクターは仲間たちに愛されるものでした。

望月卓也の足跡は、プロ野球の中で彼特有の存在感を示しています。彼の投球スタイルやエピソードは、多くのファンに記憶されることでしょう。

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