望月春江

望月 春江について

望月 春江（もちづき しゅんこう）は、1893年11月13日に山梨県に生まれ、1979年2月13日に亡くなった日本の著名な画家です。彼の本名は尚（ひさし）で、独特の花鳥画に対する情熱によって、戦前から戦後にかけて日本画壇に多大な影響を与えました。彼の人生と業績を以下にまとめます。

初期の学びとキャリアのスタート

春江は、山梨県の住吉村増坪（現在の甲府市増坪町）に、父・宗正と母・もとの二男として誕生しました。1908年に山城尋常高等小学校高等科を卒業し、山梨県立甲府中学校に進学。その後1914年には東京美術学校日本画科に入学し、1919年には首席で卒業しました。

美術学校卒業後、彼は結城素明に師事しながら、文部省の担当としても活動を始めました。また、東京女子高等師範学校では講師として教鞭を執り、その後同学校の教授に就任しました。彼の教え子たちも日本の画壇で活躍するようになり、春江の影響力がここでも見受けられます。

画業と受賞歴

春江の作品に初めて大きな注目が集まったのは、1921年の第三回帝展において『春に生きんとす』が初入選した時です。1928年には第9回帝展で特選を獲得し、1937年には山梨美術協会を設立するなど、地域に根ざした文化的な発展にも寄与しました。

彼は1938年に川崎小虎と穴山勝堂とともに日本画院を創立。後年の1958年には第十三回日展に出品した『蓮』により日本芸術院賞を受賞しています。また、日展の審査員としても活躍しています。

春江はその画風を次第に進化させ、墨と金を用いた特異なスタイルを確立しました。代表作として挙げられるのは『菖蒲郷』、『香抽暖苑』、『寒月梅花』などで、彼の作品は一目で春江の手によるものと分かる独特な美しさを持っています。

文化への貢献

彼の画業における成果は、作品の寄贈や展覧会にも反映されています。1977年には、山梨県立美術館に代表作20点を寄贈し、1979年には同館で「望月春江展」が開催されました。また、2013年にも「富士の国やまなし国文祭記念事業」として彼とその時代を振り返る展覧会が行われ、多くの人々に再評価されました。

私生活と家族

春江は、長女の鈴木美江も日本画家として活躍しており、弟の望月定夫も同様に日本画家として知られています。彼の家系は芸術の多様性を尊重し、多くの人々に影響を与える存在となっています。

最期の時

春江は1971年に勲四等旭日小綬章、1975年には山梨県特別文化功労者に認定された後も、地域の文化発展に貢献し続けました。1979年2月13日に心不全で亡くなるまで、彼の画家としての足跡は日本 art scene において重要なものであり続け、今もなお多くの人々に尊敬されています。

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