朝のチャイムがなりました!

私立恵比寿中学インディーズデビューシングル『朝のチャイムがなりました！』

2010年2月14日、私立恵比寿中学のインディーズ時代における最初のシングルCD『朝のチャイムがなりました！』が、スターダスト音楽出版よりリリースされました。このシングルは、グループにとって記念すべきデビュー作でありながら、独特の経緯を持つ作品として知られています。

収録内容と特徴

まず特筆すべき点は、このシングルにオリジナル曲が収録されていないという点です。2曲とも、既存の楽曲のカバーとなっています。これは、当時まだ活動を始めたばかりだったグループが、知名度向上のため、既に人気のある楽曲をカバーすることでリスナーにアプローチを試みた戦略だったのかもしれません。

収録されているのは、1992年に桜っ子クラブさくら組がリリースした「なにがなんでも」と、2001年にZONEがリリースした「大爆発NO.1」のカバーです。私立恵比寿中学によるカバーは、原曲の雰囲気を尊重しつつ、メンバーそれぞれの個性とグループ全体のフレッシュさを加味したアレンジが施されています。特に「なにがなんでも」では、一部の歌詞が現代風に変更されている点が注目されます。

メンバーとジャケットの変遷

さらに興味深いのは、このシングルのジャケット写真です。初期盤には6人のメンバーが写っていますが、後に12人のメンバーが写った後期盤が発売されました。これは、シングル発売日に行われたイベント「スタ☆フェス vol.009」で、メンバーの奏音の卒業と矢野妃菜喜の加入が発表されたことに起因します。そのため、初期盤には奏音は参加しておらず、後期盤には矢野妃菜喜が加わっています。しかし、音源自体は両バージョンで同一です。

限定販売から一般流通へ

当初はライブ会場限定販売で一般には流通していなかったこのシングルですが、2010年11月9日よりHMVでの独占販売が開始されました。これにより、多くのファンが初めてこの作品を手に入れることが可能となり、その希少性と歴史的価値から、現在ではコレクターアイテムとしても人気を集めています。

まとめ

『朝のチャイムがなりました！』は、私立恵比寿中学の黎明期を象徴する作品です。オリジナル曲ではなくカバー曲で構成されている点、メンバーの変遷がジャケットに反映されている点、そして限定販売を経て一般流通に至った経緯など、様々な要素が重なり、このシングルには独特の物語が刻まれています。現在では入手困難な作品ですが、グループの歴史を知る上では欠かせない重要なアイテムと言えるでしょう。その希少性と歴史的価値から、私立恵比寿中学ファンにとってはもちろんのこと、日本のアイドル史を語る上でも貴重な資料として、その存在意義は大きいです。

収録曲詳細

なにがなんでも（エビ中ver.）
原曲：桜っ子クラブさくら組
作詞：川島だりあ
作曲：織田哲郎
編曲：Marvin
原曲の一部歌詞が変更されています（例：「メイキン ラヴ」→「ハッピー ラブ」、「テレフォンボックス」→「カラオケボックス」）。
私立恵比寿中学のインディーズベストアルバム『エビ中の絶盤ベスト〜おわらない青春〜』にも収録されています。
大爆発No.1
原曲：ZONE
作詞：和田勝彦
作曲：和田克比古
編曲：イワツボコーダイ
原曲のタイトルは「大爆発 NO.1」ですが、本シングルでは「大爆発No.1」と表記されています。
私立恵比寿中学のインディーズベストアルバム『エビ中の絶盤ベスト〜おわらない青春〜』にも収録されています。ただし、アルバム収録時の表記は「大爆発NO.1」となっています。

もう一度検索