朝倉古墳

朝倉古墳の紹介

朝倉古墳（あさくらこふん）は、高知県高知市の朝倉に位置する古墳で、県の指定史跡にもなっています。この古墳は、小蓮古墳や明見彦山1号墳と共に「土佐三大古墳」として広く知られています。

古墳の概要

朝倉古墳は、高知平野の西部、朝倉神社の神体山である赤鬼山の南側に築かれました。古墳の墳丘は昭和初期の開墾作業により保護土が失われ、現在は石室が露出しています。この古墳の墳形についてははっきりとした情報はなく、埋葬施設としては両袖式の横穴式石室が採用されています。石室の全長は10メートルを超えるもので、このような形態から古墳時代の終末期、具体的には7世紀前半に造られたと考えられています。

石室からは、明治初年に馬具や鉄鏃、須恵器などが出土したとの記録がありますが、現在ではその遺物の所在は確認されていません。また、石室には巨石が使われていて、その規模や造りには古墳時代の特徴が色濃く残っています。

遺跡の歴史

古墳に関する発掘調査は、これまでに多くの回数行われてきました。

• - 明治初年：最初の石室調査で甲冑、馬具、鉄鏃、須恵器が発見されましたが、これらの遺物の行方は不明です。
• - 1930年：青年団による墳丘の測量が実施されました。
• - 1935年：再度の石室調査が行われ, 鉄鏃や須恵器の破片が発見されました。
• - 1950年4月21日：朝倉古墳が高知県により指定史跡として認められました。
• - 2004年：高知大学により測量・実測調査が行われ、その報告は2005年に行われました。
• - 2008年および2009年：石室や墳丘に関する発掘調査が行われ, 詳しい報告が作成されています。

埋葬施設の詳細

朝倉古墳の埋葬施設は両袖式横穴式石室で、具体的なサイズは以下の通りです：

• - 玄室の長さ：5.4メートル、幅：2.6メートル
• - 羨道の長さ：3.9メートル（推定復元長さ4.9メートル）、幅：1.1メートル

ここでの埋葬施設には、当時の貴族層の生活ぶりを知る手掛かりが詰まっており、古墳時代の文化や墓制について多くの知見を提供してくれます。

文化財としての重要性

朝倉古墳は1950年に高知県の指定文化財として認定され、その歴史的重要性はますます高まっています。この古墳を通じて当時の社会構造や文化、葬祭儀礼を垣間見ることができるため、研究者や観光客にとっても非常に興味深い存在となっています。

参考資料

• - 史跡説明板（高知市教育委員会、1989年設置）
• - 各種調査報告書や事典類においても、この古墳の情報は詳しく確認できます。さらなる調査を通じて、今後も新たな知見が得られることが期待されています。

朝倉古墳はその歴史的背景や文化財としての重要性から、今後も注目される日本の遺跡の一つです。

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