朝倉哲彦

朝倉 哲彦

朝倉 哲彦（あさくら てつひこ、1931年8月2日 - 2014年9月14日）は、日本の脳神経外科医であり医学者です。脳神経外科学の分野で教育・研究に従事し、また医療機関での要職を歴任しました。

略歴

鹿児島県に生まれた朝倉哲彦は、1948年に鹿児島県立鹿屋中学校の4年課程を修了しました。その後、医学を志し、1955年に鹿児島医科大学の学士試験に合格します。翌1956年には医師国家試験に合格し、国立東京第一病院で外科研究員として臨床医としてのキャリアをスタートさせました。

1959年、彼は鹿児島大学医学部へ移り、神経精神科の研究員となります。1961年には同学部の助教授に昇任し、教育・研究活動に励みました。

1969年からは東京女子医科大学に移籍し、講師を務めた後、1971年には助教授に就任します。東京での経験を積んだ後、1975年には再び鹿児島大学医学部に戻り、教授に就任しました。鹿児島大学では、教育・研究の第一線に立つとともに、1985年から1989年までの期間、附属病院長として病院運営にも携わりました。

1997年に定年により鹿児島大学を退官し、名誉教授の称号を授与されました。大学退官後も、医療法人猪鹿倉会パールランド病院の名誉院長、和風会加世田病院の顧問、脳神経疾患研究所付属てんかん研究所の所長などを歴任し、医学界や地域医療への貢献を続けました。

2002年には慈風会厚地記念放射線医学研究所の所長に就任。2005年には和風会加世田病院の理事長および院長を務めるなど、晩年まで精力的に活動しました。2012年には慈風会厚地脳神経外科・放射線科クリニックの院長に就任しています。2014年9月14日に逝去しました。

著書・翻訳

朝倉哲彦は医学者として多くの著作を世に送り出しており、特に脳波やてんかん、脳神経外科に関する専門書や啓蒙書、さらには紀行文やエッセー集なども執筆しています。共編著や翻訳にも携わり、海外の優れた医学知識の紹介にも努めました。

単著

『脳波・心電図・筋電図』南江堂, 1962年
『てんかん 神聖病』南江堂, 1971年
『てんかんの正しい知識 健康人として生きるために』南江堂, 1986年
『高千穂との対話』近代文芸社, 1991年
『旅愁流るる 朝倉哲彦紀行文集』にゅーろん社, 2000年
『脳神経外科医の栄光と悲惨 断章:脳神経外科の歴史』にゅーろん社, 2001年
『折にふれて エッセー集』私家版, 2014年

共編著

粟博志共著 『てんかんの診療』(最新医学文庫) 新興医学出版社, 1983年
大木幸介共著 『脳と心の健康を守りたい人へ』(やさしい医学と健康のシリーズ) 東洋出版, 1993年
共編 『てんかんの最新外科治療』医学書院, 1994年

翻訳

クリスティーヌ・テンプル著 『脳のしくみとはたらき 神経心理学からさぐる脳と心』[講談社], 1997年
編著・訳 『レクセルのガンマナイフ 定位的放射線手術のシステム』にゅーろん社, 2000年
* ハロルド・エリス著 『外科の足跡 外科の歴史を築いた数々の手術 無麻酔にも敢然と身を任せた患者と外科医のドキュメンタリー』バベルプレス, 2008年

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