南江堂

株式会社南江堂について

株式会社南江堂（なんこうどう、英: Nankodo Co., Ltd.）は、1879年に創業された日本の医学系出版社であり、長い歴史を誇る現存する出版社の一つです。本社は東京都文京区本郷に位置し、これまでに多くの医学書や専門的雑誌を出版してきました。

創業の背景

創業者の小立鉦四郎は小田原藩士の4男で、1879年の2月に南江堂書店を設立しました。昭和9年（1934年）には株式会社に改組され、現在に至っています。南江堂の名は、明治42年に発表された森鴎外の小説「ヰタ・セクスアリス」にも登場しており、創業以来の歴史と伝統が感じられます。

出版の理念と分野

南江堂は、創業以来「文化的意義の深い出版事業を通して、社会に貢献する」という理念を掲げています。そのため、医療や看護、薬学、生物学、化学、栄養学に関する専門書籍を幅広く刊行しています。この姿勢は、専門的な知識や技術を必要とする医療従事者を支える重要な役割を果たしています。

主な出版物と雑誌

現在、南江堂では年間約100点に及ぶ新刊書籍を発行しており、月刊誌としては『内科』、『外科』、『整形外科』、および『胸部外科』を刊行しています。また、隔月刊の『がん看護』もあり、専門分野に特化した情報を提供しています。さらに、医療関連の洋書や雑誌の輸入販売も行い、世界中の出版社とのネットワークを構築しています。

かつては化学系の雑誌やドイツ語の教科書も出版していましたが、現在は医学、薬学、看護の分野に特化しています。和書と洋書の割合は、和書が約70%を占めており、特に日本の医学書市場での強い影響力を持っています。

定番書籍の紹介

南江堂の『今日の治療薬』は、昭和52年に初版が発行され、薬剤情報に関するベストセラーとして愛用されています。この書籍は、医療現場での治療において欠かせない参考書として、多くの医療従事者に支持されています。また、柔道整復師養成施設向けの教科書も出版しており、衛生学や生理学、外科学概論など多岐にわたる分野をカバーしています。

昔の出版傾向について

1994年には、フロッピーディスク付きの医学書を出版したこともあります。このように技術の進化に合わせて出版物も変化してきましたが、根本的な理念は変わらず、社会貢献の精神を持っていることでしょう。

まとめ

株式会社南江堂は、その豊富な歴史とともに、医療分野において重要な役割を担っています。専門的な知識を提供することで、医療従事者の支援を行い、社会に貢献する出版社として、今後もその存在感を発揮していくことでしょう。

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