朝倉敏夫 (人類学者)

朝倉 敏夫（あさくら としお）

朝倉敏夫は文化人類学者であり、日本における社会人類学や韓国社会論の専門家です。1950年に東京都で生まれ、長いキャリアを通じて、国立民族学博物館の名誉教授としての地位を確立しました。また、立命館大学経済学部の教授としても教鞭をとり、教育活動を続けています。

経歴

彼は1974年に武蔵大学人文学部社会学科を卒業後、明治大学の大学院に進学。その後、政治経済学研究科で修士号を取得し、博士後期課程を修了後、1988年に国立民族学博物館に助手として勤務を開始しました。1994年には第1研究部助教授として昇進し、2001年には民族社会研究部の教授に就任。さらに2010年からは文化資源研究センターの教授として、2011年にはセンター長に就任し、2014年4月からは再び民族社会研究部教授として活躍しました。2016年には定年退職し、名誉教授に任じられました。その後も立命館大学にて2016年から教鞭を取り、2018年には食マネジメント学部長に就任。2021年に退職するまで、その学問的貢献は続けられました。

受賞・栄典

朝倉氏の研究業績は高く評価され、2013年には大韓民国玉冠文化勲章を受章しています。この栄誉は、彼が韓国文化の理解を深め、両国の文化的交流に寄与したことを示しています。

著作

朝倉敏夫の著作は多岐にわたり、特に韓国の食文化や社会に焦点を当てています。1994年に発表された"日本の焼肉　韓国の刺身－食文化が“ナイズ”されるとき"では、食文化が国境を越えてどのように変化するかを論じました。さらに、2005年に出版された"世界の食文化：第1巻 韓国"では、韓国の食文化の多様性と特徴を詳述しています。

彼の近著"コリアン社会の変貌と越境"（2015）では、韓国社会の変遷を深く掘り下げ、国際的な交流や移動に伴う社会学的な影響を検証しています。共著では1986年に出版された"食は韓国にあり"があり、他にも数多くの著作が彼の名前で知られています。

また、編著や共編著としても著作を発表し、2003年の"「もの」から見た朝鮮民俗文化"や2012年の"火と食"など、様々な視点から韓国文化に対するアプローチを提供しています。

結論

朝倉敏夫の研究は、文化人類学や社会人類学の分野において重要な位置を占めており、特に日本と韓国の相互理解を深めるための貴重なレポジトリを構築しています。彼の貢献は、今後の研究や教育においても、さらなる影響を持つことでしょう。

もう一度検索